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マンガ家Mの日常
以前にも書いた事だけど、
今回の仕事で再度痛感させられたので、再度書く。

シャープペンは絵を描く道具では無い!

便利だと思っていつまでもシャープペンで原稿を描いてるアシスタントは、
永遠に絵が上手くなりはしない。

シャープペンは鉛筆の様に削る手間が無く、均質の細い線が引ける。
それは簡単な文字記号等を記すのには都合が良いが、
無機質な、只の線では、魂のある物体は決して描けない。

皆、何故それがわからないのか、
根本的に、絵を見る素養が育っていないのか。

マンガは基本、線描なので、
線の使い方によって物体を表現する。
均質な線しか引けないシャープペンでは、それは望めない。
下描きの段階でシャープペンを使用して、
ペンを入れる段階できちんとした線が引ければ、まぁ良いのだが、
下描きで描けていないものが、本番のペンで描ける筈も無い。
結局、均質のつまらない線を引く。
物体の質感も何も無くなっている。

更に悪いのは、
なまじシャープペンで細かい部分の描き込みが出来るので、
皆、細部にばかり気を取られてしまい、全体像を見失ってしまう。
これは全員の仕事に顕著に現れている。
絵の全体像が見えていないばかりか、関心すらも無くなっている。
それで、こちらの指示内容もどっかに飛んでしまうのだ。

チマチマ、ゴチャゴチャ、
細い線を描き込む事にばかり必死になって気を取られて、
本来、何を描くべきかがわからなくなっている。
気がつけば、時間ばかり経って、全体がボンヤリした絵が仕上がっている。
こんなの、単行本サイズになったら、ただボヤケてウザッタイだけだよ。
何度注意しても気付かない。
近視眼的になっている。

クドイくらい度々アシスタントさん達に注意するのだが、
一向に改善される気配が無い。

それでもどうしてもシャープペンを使いたいなら、
せめて、自分の絵の問題点くらいは把握しておくべきだ。
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