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マンガ家Mの日常
早朝の雨も止み、明るい空が戻って来た。でも寒いのに変わりはない。

Aさんの件、なかなか筆が進まずにいたが、
そろそろ結着着けねばと思う。

Aさんからのおかしなドタキャンメールは以前ブログでご紹介した通り。
その日はまだまだ仕事が残ってたし、相手する気も失せてしまったんで、
とりあえず「メールでの再三のドタキャンは社会人として問題がある。」
といったような内容のメールを返信したんだったと思う。よく覚えていない。

Aさんからのメールは 文章の拙さを割り引いたとしても、
あまりにも荒唐無稽だった。
近所の料理教室に手伝いに行って、どうして金品を取られるのだろう?
それで、自宅に帰って来られない?
で、そういう事が、ウチの仕事に出る直前でいきなり発覚したわけ?

22、3歳にもなって、こんな嘘で他人を誤摩化せると、
本気で思ったんだろうか?

当然ながら、その後の仕事期間中、Aさんからのメールは何も来なかった。
それで、こっちとしても、彼女の事はもう終わったと判断した。

ところが、暫く経って、再びおかしなメールが届いた。
よせば良いのに。
前のメールの内容をフォローしたつもりだったのか?

今度は、料理教室のおかしな連中が自宅に乗り込んで来て、
パソコンやらケータイやらを壊していった、と。
? なんでそんな人達を家に入れるの?
普通に見れば、住居不法侵入と器物損壊で、十分な刑事事件でしょ。
目の前に証拠があるんだから、
被害届出せば、警察だって、まったく動かないって事も無いでしょ。
で、なんで、壊されたのがパソコンとケータイ?
相手がちっこいケータイをわざわざ見つけ出して壊した?
つまりさ、これは「パソコンとケータイを壊されたんで連絡出来ませんでした。」
って、言い訳アピールのつもりだったのよね。

付き合いきれない。

さすがに、その後はもうメールは来ない。

Aさんが何故こんなしょーもない事を繰り返したのか、全く理解出来ない。
アシスタント募集に応募して来たのはAさんの方からだったのだし。
朝起きたら、途端に憂鬱になって、ドタキャンしようって思ったのか?
仕事したくなくなったんなら、最初の段階で断ればいいだけの話。
或いは、メールを無視して返信しない。そういう人だって大勢いる。
返信をしないのは礼儀に適った事では無いが、
こっちとしては、ある程度の期間を過ぎたら、
仕事を受ける気は無いのだな、と判断しておしまいにする。そんなもんだ。
仕事を受けて、直前で穴を空けるのは 一番迷惑。

...
Aさんのメール内容を公開した事については、色々迷いはあったし、
すべきでなかった、という意見があるのも当然だと思う。
でも、やはり、ただ何もせずに済ませて良い問題ではなかった。

いずれ記事に書くつもりでいるが、
とにかく、私がアシスタントをやっていた頃は、待遇が酷かった。
それは自分自身とても嫌な事だったので、
自分がアシスタントを雇う側になった時から、
過去に自分が経験したような嫌な思いはさせないよう、
自分の事は捨て置いてでも、出来る限りの事をやって来た。
他の仕事場の話を聞いても、全体的に随分改善されて来たと思う。

でも、現実、アシスタントに来た人達の中には、好待遇に甘んじて、
仕事に向けての努力もせずにいる向きも 残念ながらそれなりに見かける。
...そこまでは、まだ我慢の範囲内かと思うが...。
Aさんのように非常識な事を繰り返されるのでは
仕事へのダメージがあまりにも大き過ぎる。
これには、さすがに、なんらかの警鐘が必要だと考えた。

もし、他のマンガ家さんや編集さんが記事を見てくれたら
こういう人には用心して欲しい、と伝えられる。
アシスタントさん達にしても、アシスタントの仕事はバイト扱いが殆どで
会社勤めのような拘束力は無いから、いつでも辞めたい時に辞められるし、
まだまだ待遇に不満もあるかもしれないが、
さすがにここまで酷い事はしちゃならん、とわかり合える。

依然言葉足らずかとも思うが...。
一通りの経緯は以上。

長引く不況で、マンガの出版は厳しくなって来ている。
潰れる編集部もあって、契約社員は切られる。
マンガ家は原稿料も印税も大幅に削られている。
経済的に行き詰まってくれば、アシスタントを切らざるを得ない。
でも、一定量の仕事をこなす為には、一定数のアシスタントが必要。
原稿料が大幅に下がったからと言って、アシスタント料を下げれば
誰も来てくれなくなる。 
それでは仕事にならないから、なんとか待遇を保つ努力をしている。

現実的には、不況のリスクはマンガ家だけに覆い被されている。
耐えているのは、マンガの仕事が好きだから、ただそれに尽きる。

でも、さすがに限界もある。
Aさんのような人はそのひとつの例。

マンガ家では無い人に事情をわかってもらうのは難しいかもしれないが、
...マンガ家も社会の一部として生きている......。




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