六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーで開催中の
「わたしのマーガレット展」、新聞広告で見かけて、行って来ました。
入場したら、4分間程度のビデオを見せられる。
入場者を調整する為なのかな。
ビデオは、割と最近の学園ものの恋愛シーンが中心で、結構気恥ずかしい。
どう言う意図でこれを作成したんだろう?
年代順に原稿が展示されていて、
わたなべまさこ先生の「ガラスの城」、
水野英子先生の「白いトロイカ」等の名作を皮切りに、
西谷祥子先生の「マリイ・ルウ」、忠津陽子先生の「美人はいかが?」等々、
大好きな懐かしい作品の生原稿に、我を忘れて見入っちゃいました。
一緒に来てくれた友人の存在も忘れそうになった...。
ゴメンナサイ、見逃してくれてありがとう。
ここで、名作タイトルの数々を上げてもきりが無い程。
「ベルサイユのばら」「エースをねらえ!」といった主力作とともに、
同時期のギャグマンガ「つる姫じゃ〜っ!」「にゃんころりん」等々も
豊富に並んでいて、
一番良い時期の「週刊マーガレット」をリアルタイムで読んでいた幸運に
今更ながら想いを馳せる。
編集部としても、当然、良い作品の良い原稿をセレクトして来たのだろうけど、
どれもペン線の運びに迷いが無く、力強くて美しかった。
マンガって、雑誌やコミックスでザッと読んで終わり、って言う物ではあるけど、
線の1本1本全てが人の手で描かれている、大変貴重な物なのです。
読者の方々も、こういう機会に生原稿の素晴らしさを堪能して欲しい。
生原稿の美しさに浸ると、夢中で読んでいた頃の感情がわき上がって来て、
複雑な心境になってしまった。
80年代以降も、多くの才能豊かなマンガ家の手で
様々な名作が生み出されたのでしょうが、
展示を見て分かる通り、絵柄やテーマ等も大きく変わってしまった。
より身近な恋愛をテーマにするのも良いのだけど、
そこに偏り過ぎて、夢が乏しくなってしまったような...。
元々、子供の頃、10代の頃はそう言う恋愛ものに気恥ずかしさがあって
あまり好んでそっちをを読んではいなかっただけに、
今のマンガだったら、子供の自分が夢中になって読んでいたかどうかが疑問。
個人的には、少女マンガは夢に浸れる世界であって欲しかった。
マンガ家になって、自分なりに暗中模索しながら仕事してきたけど、
自分が好きな世界を描けているとも限らず、
当時好きだった世界を追い求める事の虚しさのようなものも感じる。
時代は移り変わらずにいられない。
コーナー毎に簡単な解説文が付いていて、ザッとしか読んでいないのだけど、
編集者の方々も新しいマンガ表現を模索していた様子が伝わって来た。
友人の時間の都合もあって、開場の午前10時に行ったので、
夜型のマンガ家さん達はまだ来てないだろうと思ったけど、
2、3人の女性グループで来ていた方々の会話が洩れ聞こえて来て、
どうやら、どれかの展示作品の作者のマンガ家さんと
アシスタントさん達らしかった。
生原稿から離れ難い。
もう1回見に行こうかなぁ...。