4、5の続き。
ストーリーについて書いています。
ネタバレします。
本作は雑誌とデジタル配信で発表済みですが、
未読で、コミックス発売を待って読んで下さる方は、この記事は飛ばして下さい。
ストーリーを大幅に変更せざるを得なかった顛末について。
一般に、ハーレクイン小説は安直なシンデレラ・ストーリーと思われがち。
若くて綺麗な女性が一回り年上のイケメン大富豪と結婚するのが定番で、
ページ数も限られているから、とっとと上手く事が運ぶんだけど、
それでも、ヒロインは恵まれない環境で育って、苦労して働いてたりして、
日々の努力の過程の中でイケメン大富豪との出会いがあった訳なので、
言われる程には安直では無い。
それに、努力とラッキーとで幸せを掴むのが、古今東西のあらゆる物語の基本。
主人公が男性であっても同じ事。
シンデレラ・ストーリーだからと言って批判されるものでも無い。
むしろ、クズな男と喜んで付き合うだめんずウォーカーを
肯定的に描いたりするのは、メッセージとしてはヤバイものがあるんで、
それよりはシンデレラ・ストーリーの方が抵抗無く描けるかもしれない。
なので、主旨としては問題は感じなかった。
今作の問題は、5で書いた通り、相手となる男性の行動にあった。
酩酊して意識の無い見ず知らずの女性に、迫られるがままにセックスして、
妊娠させてしまう。
男性が責任を取って結婚し、ヒロインはめでたく大富豪をゲットした、と言っても、
それで結果オーライだとは到底思えない。
酩酊状態と分かってセックスして妊娠させるなんて、卑劣としか言いようが無い。
そんな男性は信用も何も出来ない。
言い訳のしようも無い。
コミック化するにあたって、そこはどうにもフォロー出来ず、
変更するという選択肢しか無かった。
また、ハーレクインにありがちなんだけど、
男性はイタリア系で、中盤、母親が登場して、
イタリア系の母親らしい強引さで、息子の結婚を推し進めようとする。
男性は30代半ば。それなのに、母親に促されての結婚だなんて、情けない。
妊娠の責任を取るだとか、母親に強要されて、だとかでは無く、
愛情からの結婚であって欲しい。
この母親も全てカットした。
結果、前半の早い段階から、様々な変更が生じ、
最終的のは幸せな結婚に持っていくとして、
後半は原作とは全く違ったストーリーを作り上げていく事になった。
担当編集者はネームを読んでも、特に何も言わなかった。
編集部では本の売れ行きが第一なので、原作の改変に関しては見て見ぬ振りをする。
ただし、編集部としては会社員という立場上表立って認める訳にもいかないので、
何も言わず、マンガ家が勝手にやったものとして事が進められる。
万が一何かあっても、本社からクレームがあっても、全てマンガ家の責任。
まぁ、良いけどね。
納得いかない原作を手渡され、変更についての話し合いもさせてもらえず、
手探りで125ページの長尺のネームを描くのは辛い。
こうした事が続くようになって、編集者との折り合いが悪くなっていった。
他のマンガ家さん達はどうやって自分を納得させているのだろう?
ペニー・ジョーダンの元々のファンの読者には、
改変が好ましく受け取られるとは思い難いところではあるけれど、
納得いかないストーリーを無理やり描こうとしても、
感情移入出来ず、手は動かない。
マンガを好きな読者が、全くニュートラルな立場から読んで、
納得してもらえる事を願うばかり。
(このテーマはこれで終了。)
ストーリーについて書いています。
ネタバレします。
本作は雑誌とデジタル配信で発表済みですが、
未読で、コミックス発売を待って読んで下さる方は、この記事は飛ばして下さい。
ストーリーを大幅に変更せざるを得なかった顛末について。
一般に、ハーレクイン小説は安直なシンデレラ・ストーリーと思われがち。
若くて綺麗な女性が一回り年上のイケメン大富豪と結婚するのが定番で、
ページ数も限られているから、とっとと上手く事が運ぶんだけど、
それでも、ヒロインは恵まれない環境で育って、苦労して働いてたりして、
日々の努力の過程の中でイケメン大富豪との出会いがあった訳なので、
言われる程には安直では無い。
それに、努力とラッキーとで幸せを掴むのが、古今東西のあらゆる物語の基本。
主人公が男性であっても同じ事。
シンデレラ・ストーリーだからと言って批判されるものでも無い。
むしろ、クズな男と喜んで付き合うだめんずウォーカーを
肯定的に描いたりするのは、メッセージとしてはヤバイものがあるんで、
それよりはシンデレラ・ストーリーの方が抵抗無く描けるかもしれない。
なので、主旨としては問題は感じなかった。
今作の問題は、5で書いた通り、相手となる男性の行動にあった。
酩酊して意識の無い見ず知らずの女性に、迫られるがままにセックスして、
妊娠させてしまう。
男性が責任を取って結婚し、ヒロインはめでたく大富豪をゲットした、と言っても、
それで結果オーライだとは到底思えない。
酩酊状態と分かってセックスして妊娠させるなんて、卑劣としか言いようが無い。
そんな男性は信用も何も出来ない。
言い訳のしようも無い。
コミック化するにあたって、そこはどうにもフォロー出来ず、
変更するという選択肢しか無かった。
また、ハーレクインにありがちなんだけど、
男性はイタリア系で、中盤、母親が登場して、
イタリア系の母親らしい強引さで、息子の結婚を推し進めようとする。
男性は30代半ば。それなのに、母親に促されての結婚だなんて、情けない。
妊娠の責任を取るだとか、母親に強要されて、だとかでは無く、
愛情からの結婚であって欲しい。
この母親も全てカットした。
結果、前半の早い段階から、様々な変更が生じ、
最終的のは幸せな結婚に持っていくとして、
後半は原作とは全く違ったストーリーを作り上げていく事になった。
担当編集者はネームを読んでも、特に何も言わなかった。
編集部では本の売れ行きが第一なので、原作の改変に関しては見て見ぬ振りをする。
ただし、編集部としては会社員という立場上表立って認める訳にもいかないので、
何も言わず、マンガ家が勝手にやったものとして事が進められる。
万が一何かあっても、本社からクレームがあっても、全てマンガ家の責任。
まぁ、良いけどね。
納得いかない原作を手渡され、変更についての話し合いもさせてもらえず、
手探りで125ページの長尺のネームを描くのは辛い。
こうした事が続くようになって、編集者との折り合いが悪くなっていった。
他のマンガ家さん達はどうやって自分を納得させているのだろう?
ペニー・ジョーダンの元々のファンの読者には、
改変が好ましく受け取られるとは思い難いところではあるけれど、
納得いかないストーリーを無理やり描こうとしても、
感情移入出来ず、手は動かない。
マンガを好きな読者が、全くニュートラルな立場から読んで、
納得してもらえる事を願うばかり。
(このテーマはこれで終了。)
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