忍者ブログ
マンガ家Mの日常
カバー折り返しのコメントと後書き執筆。
ほぼ文章作業のみ。


本編の原稿の修正はしなくても大丈夫の筈なのだけど、
やはり一通りゲラ刷りに目を通す。

セリフは問題無し。
級数もバランス良く吹き出しに収まってる。
誤植も見当たらない。

作品はもう3年程前に仕上げたものなので、
今見ると、何だか他人の顔をしてる。
すぐには感情移入出来ない。
あれっ、この程度の出来だったかな?と思えてしまった。
他は全部書き下ろしコミックスだったので、
雑誌とコミックスのサイズの違いの感覚もあるかも。

工場買収が話の起点なので、その辺の台詞が難しかったりもする。
原作で分かりにくい部分があったんで、
起業家の社長さんに具体的に教えてもらったりしたんだよね。

少しして、もう一度見直すと、さっきよりは良い感じに思えて来た。
話の筋が頭に入った事で、安心して登場人物の気持ちに集中出来たからかな。
繰り返し読み易いのがコミックスの良いところ。
皆さん、何度でも読んでね。
1回読んでさっさとブックオフに持って行くのではなく、
長く手元に置いて、じっくり読めば読む程良いと思えてもらえると嬉しい。


コメントと後書きだけなので、作業は面倒では無い。

でもね、
名前さえ知らなかった編集さんから突然電話があって、
コミックスの為にコメントと後書きを制作するよう言われて、
料金着払いで編集部に送るよう言われて...。
たかだかコメントと後書きだけど、
会った事も無い編集者に、顔を合わせての受け渡しも無く、宅配便で送るのって...。

作品作りの第一段階として、
担当編集者の為に頑張ろうというのがある筈なんだけど、
着払いの為に頑張ろうという気持ちにはなれないよね。
コミックスの書き足し原稿は基本、原稿料出ないし、
宅配するとなると、梱包の手間もバカにならないんで、
見ず知らずの相手にそういうのを要求するのって、礼を欠いてるんじゃないかな。
マンガ原稿はネット通販商品か?

大手でも、正規の編集者は極僅かな人数で、
外部の編集プロダクションに仕事を任せきりにする編集部もあるし、
原稿の受け渡しだけなら業者やお遣いさんが動く。
でも、そういうのにしたって、
担当編集者と作家の間に信頼関係が育ってからの話だと思うんだ。

何だかね、もう、
信頼関係を築くなんてのは、絶滅危惧種になりつつあるのかな。
余程環境が整っている場合には良いコミュニケーションもあるのだろうけど。

侘しいね。
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック