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マンガ家Mの日常
「休刊」なんていう言葉はまやかしに過ぎないので、
正確に「廃刊」と書かせていただく。

白泉社と繋がりは無いので、今朝の朝刊の記事を見るまで全く知らなかった。
出版不況と言われて久しく、マンガ雑誌の発行部数も落ち込み続ける中、
少女誌では「別花」が部数トップとされていた筈なのに、
それでも歯止めが効いていなかったとは。

創刊当初の個性的な作家陣に比べると、昨今の作家は絵の判別もし難く、
印象が弱いという感は拭えない。
とは言え、絵の可愛らしさやテーマの選び方等、センス良くて、
必ずしも作家のレベルが下がったという訳では無いのだろう。

それでも廃刊に追い込まれるというのは、
少女マンガ誌のビジネスモデルの限界なのだと思われる。
(この点について、もっと深く掘り下げられると良いのだけど、
 論じるだけの情報を持ち合わせておらず、語りきれずに申し訳ない。)

マンガ雑誌の部数の落ち込みに関しては、
少子化やネットの隆盛が原因として挙げられがちだけど、
TVドラマの原案に多く使われている現状を見ても、
コンテンツとしての少女マンガの魅力が薄れた訳ではなく、
むしろ、作品の評価は高く、注目度は上がっている。

問題は、
嵩張る紙媒体が敬遠されている点もあるのだろうか。

確かに、重いし、場所を塞ぐ。
1回読んだら即処分となると、費用対効果も良く無い。
実際、自分自身、雑誌を購入する機会は減ったし、
随分前から減らす方向で努力していた。
読みたい作品だけコミックスで買って、まとめて読んだ方が読み応えがあるし。

しかしながら、私の場合は、やはり読むなら紙媒体に行き着く。

携帯コミックは便利なんだろうけれど、
絵の美しさが実感として伝わって来ない。

携帯コミックがそれなりにシェアを高めている背景には、
読者が絵の美しさに対して価値を認めていないという問題が見える。
それはつまり、絵を読み解く、感じ取る感性が減退しているという事でもある。

その点が一番恐ろしい。

絵を読むというマンガ本来の機能が揺らいでいる。

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