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マンガ家Mの日常
大坂、バイルズに続き、
(どの種目だったか忘れたけれど)他の選手からも、
敗退後のインタビューを無しにして欲しいと言う意見が出た。
この傾向は暫く続くだろう。

大事な試合に負けた後、落ち込んで、すぐには気持ちの整理がつかないし、
何と言っても、世間に負けた惨めな姿を晒したく無い。
それは容易に理解出来る。

ただ、一方で、
勝った時だけ、自慢げに姿を披露したいというのも、どうなんだろうか。
勝った直後は高揚して、失言を漏らすケースさえある。

いっそ、選手は、試合の結果だけ残して、一切口をつぐむか。


例えば、将棋や囲碁、チェスでは、対局後に感想戦というのがあって、
対局者同士で対局を再現し、勝負の内容を検討する。
(プロでも、任意で、辞退しても罰則は無い。)
サービスであると同時に、指し手を検討し、自らの向上にも役立てる。

勝って、有頂天になった姿だけ見せるのではなく、
負けた時の状況について語るのも、
特にプロの選手にとっては重要な事では無いだろうか。
技術面のみならず、敗北に対して精神的にどう向き合うかも重要。
試合は、たった一人の勝者と、無数の敗者で成る。
人生においても、人は幾多の敗北を経験する。
その時、どう対応、対処するかが、その後の人生を形作る。

スポーツ選手にそこまでの役目を求めるのはどうかという意見も出るだろうが、
スポーツは、身体を鍛えるだけではなく、礼儀や人間性を学ぶ場でもある。


2019年の全米オープンを思い出す。
前年覇者の大坂は、3回戦で新星ココ・ガウフを撃破。
注目されていたにも関わらず、大坂に全く歯が立たずに惨敗したガウフは、
試合直後にボロボロと泣き出してしまった。
大坂はガウフの今後を考え、普通なら勝者のみのオンコートインタビューに、
敢えてガウフを誘って、一緒にインタビューを受けた。
敗戦直後のインタビューの重要性を大坂も理解している。


テニスに限らず、記者会見では、意地悪な質問、失礼な質問も数多くあるだろう。
白人男性よりも、女子選手や非白人、或いは性的マイノリティの人達に対して、
酷い質問が投げかけられる事が多いのも事実だろう。

記者にもマナーが求められる。

ただ、それとは別に、選手には敗戦の弁を述べるメンタルも求められる。
敗戦をただの惨めな負けにするのではなく。
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14歳中学生の玉井陸斗選手、7位入賞!
おめでとう!

親戚ではないと思うけど、
同じ名字のよしみで応援しました。

これから何回五輪に出場するんだろう。

五輪後も、話題に事欠かない大坂。

帰国の途に向かう空港で、派手なジャケットが注目を浴びた。
勿論、マスコミ的には内気云々へのツッコミ。

それはともかく、

グランドスラムに続くランクの1000シリーズの
モントリオール大会棄権を発表。
五輪の直前の大会も棄権しているから、全仏後、僅かしか試合をしていない。
現在、コロナ禍の特別ルールによるランキングになっているけど、
普通だったら、もうかなりランキングを下げてしまっている状態。

ところが、
NYで開催されるファッションショーのMETガラでは、
ファッションセレブリティとして、他の芸能人と共に司会を務めると言う。

テニスにおける選手寿命も決して長くは無いので、
セカンドキャリアを準備しておく事は大事。
大坂が自身のブランドを持っていても、大方の仕事は専門のスタッフが行うので、
テニスの練習に影響する程にはならない。

とは言え、
こうした情報を目にすると、
テニスに対する大坂の情熱の薄れを感じざるを得ない。


どういう選択をしたところで、それは彼女自身の人生。

ただし、
自身のメンタルの問題を、周囲のせいにするのは、
大坂を目標としている子供達のお手本にはならない。


今月末には全米オープンが始まる。

大坂の、どのような決意が見られるだろうか。

(このテーマ、完了。)



メンタルの悩みは人それぞれだけど、
スポーツ選手を含め、職業においては、
期待されているレベルの結果を出せるかどうかが主になる。
他者からの期待と、自分自身の期待。
それらがプレッシャーになって、メンタルの不調をきたすと言うなら、
どこかで折り合いをつけるしかない。
低レベルの結果もまた、自身のメンタルを傷つけるので、
それもまた、どこかで折り合いをつけるしかない。

「テニス選手である前に」と語る大坂の言葉は大事だが、
一般のファンにとっては、テニス選手としての大坂としか関わりようが無い。
詳細を語らない記者会見拒否の問題に、どう関わる事が出来るのか。
大坂はテニスファンに何を「期待」しているのか?
それはテニスファンとしてストレスを感じる。

バインコーチはどう感じていただろうか。
大坂がバインに対して急に不機嫌な態度を露わにし、その後解任した。
解任理由については公表されていないので何とも言えないが、
大坂の行為はバインの名声に傷を付けかねないものだった。
バインは間も無くラドバンスカのコーチに就任し、
今年のウィンブルドン準優勝に貢献し、コーチとしての高い能力を証明した。
大坂が不得手で、結果を残せていないウィンブルドン。

大坂がバインの何が不満だったのかは分からないが、
バインに対してと言うより、自分自身に対する何かがあったのではなかろうか。
メンタルの不安定さから、バインに対して憤りをぶつけたように、
全仏でも、記者会見に対して憤りをぶつけた。
多様性の象徴、グランドスラム4タイトルの女王に、
今は周囲が味方して賛同しているが、
大坂の行動はフェアだったとは思えない面が残る。
いずれまた騒動の火種になりかねないのを危惧してしまう。
現女王であっても、成績が下降し、元女王となり、
3度、4度と騒ぎを起こせば、マスコミも態度を反転させる。
その時が怖い。

(続く。)

色々続報が入る。
体操女子のバイルズ選手は、大会中に叔母さんが急逝されたとの事。
バイルズの叔母なら、まだ40代くらいの若さだろうか。
五輪で気が張り詰めている中、近しい親族の訃報が届けば、
動揺するのも無理は無い。


大坂に話を戻す。

アメリカ本国でのマスコミの反応も様々らしい。

私個人としては、テニスファンとして大坂の活躍を見ていたので、
それ以外は大坂のプライベートという捉え方になる。
テニス以外の事柄で大坂が不安定になって、プレーが不調になるのが問題。

大坂のBLMマスクは大きな反響を呼んだが、
個人的には必ずしもあの行動に全面的に賛成とは言いかねる。
チームと大会側に相談しての行動だったようなので、
大会規約には抵触しないのだろうが、
大会によっては、政治的メッセージを出すのを禁止している所もあるだろうし、
選手のスポンサーでも、契約上、対応が異なるだろう。
時間的な問題もあっただろうが、
大会の関係者や選手全体と足並みが揃わず、大坂だけが目立ってしまった。

黒人差別の問題に関しては、
もっとはっきりとアフリカ系のルーツを示す選手も他にいるが、
そうした選手達(例えばウィリアムズ姉妹やガウフ、キーズ等)が、
BLM運動への意志を示せば、大きな騒ぎに発展するだろうし、
誠意のある白人選手が行動したとしても、また反発を招く。
志があっても、BLMマスクのような行動を取るのは難しく、危険を伴う。

半分日本のルーツを持つ、大坂のバランスが上手く作用した。

少し話が逸れるが、
最近のネットニュース等で、
ウィリアムズ姉妹の前には目立った黒人選手はおらず、
まるで、テニス界で黒人差別反対を唱えたのが、
大坂が初めてであるかのような捉え方をしている記事も見かけたが、
それは、テニスの世界の流れを知らない記者の文章だと思う。

全米オープンの会場では、アーサー・アッシュの名前が冠されたコートがある。
黒人差別とAIDS患者への偏見に戦った偉大な存在に、常に敬意を示している。
女子では、ウィリアムズ姉妹の前に、ジナ・ガリソンといった名選手がいたし、
イボンヌ・グーラゴンのように、アボリジニのルーツを持つ選手もいた。
ただのファンに過ぎない素人の私でさえ、それくらいの知識はあるので、
専門の方が意見すれば、長い歴史が語られるだろう。
テニスでは世界各国の選手が同時に出場するので、非白人も大勢参加する。
逆に、南アフリカの白人選手ウェイン・フェレイラは、
当時の南アの黒人差別への制裁として、五輪には参加を許されなかった。


そうした歴史を語らずに、今のマスコミが大坂を唯一のヒーローのように
持ち上げて騒ぐのは、一見大坂を称賛しているように見えて、
余計なプレッシャーを大坂が背負わされる結果になってはいないだろうか。

大坂がどこまで考えていたかは測り難い。

ひどく穿った見方になるが、
大坂は有色人種向けのファッションブランドを立ち上げており、
意図ではなかったとしても、絶好の宣伝に繋がった。

大坂本人がどう考えたかはわからないが、
マネージメントは当然計算していただろう。

(続く。)