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マンガ家Mの日常
全3シーズン完結。

ううっ、こんな結末になるとは...。

シーズン1の迷路のような捜査の進行が傑作として「キリング」を印象づけた。
捜査がなかなか進まない、そのもどかしさが素晴らしかったんだけど、
1回1回の進行を待つのがじれったかった。
それでシーズン2、3は半分の長さにしちゃったのかな。
展開はスムーズでわかり易くて良かったけど、
その分迷宮のような事件性は薄められた。まぁ、仕方無いか。

それでも、さすがの出来映えだった。

シーズン1の時はサラの理解者がいなくて、孤軍奮闘、
上役や同僚に逆らいながらの個人捜査だった。
その時の功績があって、シーズン2、3と進むに連れて
サラの実力が認められ、周囲もサラの意見に耳を傾けて協力するようになって来た。
そこんところもちょっと興が削がれる点ではあったけど、自然な流れではある。

そして、2、3ではサラのロマンスが描かれ、お相手もイケメンになって来た。
3では警察学校時代の恋人が現れ、妻子を振り切ってサラと駆け落ち?
このドラマに特にロマンスは期待してなかったけど、
生死の境で男性が女性を庇おうとする姿にはやっぱり心を打たれちゃうね。


大富豪の幼い娘が誘拐され、関係者も次々殺される。
誘拐犯の狙いは、数年前自分の娘を無惨に殺害した犯人を突き止める事だった。
ラスト、サラは誘拐犯の娘の殺害犯を挙げる事を誓って、
誘拐犯に富豪の娘の居場所を知らせてもらうのだが、
政治的な思惑等が絡まって、元の犯人は野放しとなりかける。
そしてサラは自らの手で結着を付ける。
...なんで彼女ひとりで全ての落とし前を背負わなくちゃならんのだろう。
関係修復出来た家族や、生まれたばかりの孫娘にも、一生会えないかもしれない。

ラストシーンはややぼかしてある。
果たしてサラは何処へ向かったのか。
恋人の指示で逃亡すべくレイキャビクに向かったのか、
裁きを受けるべく地元に向かったのか。
雰囲気的には後者の感じだな。

サラは決して万能の刑事ではなく、
周囲の反対に負けてグラついて捜査方向を誤ったり、
都合の悪い事は適度に言い逃れしてゴマカシたりもする。
家族に対しても、一生懸命向き合おうとしつつも、
事件に引き込まれると一瞬にして平気で家族を邪魔者扱いする。
そう言う人間臭さが愛おしい。
必死さと不器用さが自分とダブって感じられるからかな。

仕事に向かう本能的な使命感に突き動かされる。
標準的な幸せを逃してしまうと知りながら。
それが自分なんだと、自分で納得するしか無い。


サラのような主人公に今後お目にかかれるかどうか。
二番煎じは見たく無いしね。

ショーン・ペン監督、ジャック・ニコルソン主演の映画「プレッジ」を思い出した。
犯人逮捕を遺族に誓い、人の道をギリギリ踏み外すところで勝負を懸けた、
あの複雑な状況の結末。
誰にも理解されず、自ら不幸に飛び込んでしまう。
真実を知るのは映画の観客のみ。

幸せとか不幸とか、それは確かにあると思う。
でも、それを越えた何かひたむきな道もある。



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