ベン・スティラー監督、主演のヒューマンドラマ映画。
ドタバタおバカコメディの印象が強いベン・スティラーなので、
もっと単純に笑えるコメディかと思っていたら、
しみじみとした味わいのシリアスな作品だった。
写真雑誌「LIFE」でネガの管理をしているウォルターはさえない中年男。
出会い系サイトに登録しているが、プロフィールに書き込む要素すら無い。
17歳で父親を亡くし、家計を支える為に働き始め、
それまでの子供らしい冒険心を失ってしまっていた。
「LIFE」は事業の再編成で、次号で廃刊が決まり、
ウォルターを含め、多くの社員がリストラされる事になる。
その折、有名カメラマンのショーンから次号の表紙用にと写真のネガが届くが、
肝心の作品のネガだけが見当たらない。
ウォルターは強権を振り回す経営陣への意地と、社員としてのプライドと、
密かに想いを寄せる同僚女性シェリルの励ましとで、
ネガを求めて、世界各地の厳しい自然環境を飛び回るショーンを探す旅に出る。
グリーンランドではヘリコプターから海に落ち、サメに追われ、
アイスランドでは火山の噴火からかろうじて逃げ延びる。
アフガニスタンからヒマラヤに入り、途中からはシェルパも無く、一人旅。
過酷だが、清々しい冒険の旅の果てに、やっとショーンと出会う。
実は、ショーンはウォルターへの感謝の意を込めて、
ネガと一緒に送った財布の中に当のネガを1枚入れていたのだった。
そして、それは、ひたむきに誠実に仕事に携わるウォルターを写したものだった。
地味でネガティヴだったウォルターは、内なる冒険心と勇気を目覚めさせ、
新しい人生を踏み出す。
シェリルにも想いを告げて、めでたしめでたし。
前半、ウォルターの妄想世界が頻繁に現れて、ちょっと面倒。
冒険を始めてからはそれが止む。リア充ね。
映像の処理とか効果とかについて技術的な事は分からないのだけど、
色彩の陰影を強く見せた映像で、荒涼とした自然の雄大な風景の数々が
美しく、時に物悲しく映し出され、旅心を誘われる。
その土地に住む人達にとっては日常の風景なのだろうけど、
最果ての土地の冷えた空気に心惹かれる。
まさしく、人生は冒険の旅。
BGMの使い方も美しい。センスの良さを感じる。
デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」のチョイスも感動的。
ヒマラヤの奥地で雪豹の写真を撮るべく、じっとカメラを構えている
ショーン・ペンの存在感が素晴らしい。
逞しさと優しさの同居した瞳、人生経験の豊かさを感じさせる額の深い皺、
飾らず、自然の懐と同化している。
ジャーナリストに時々見られるような、うざい自己主張の姿ではない。
こういう人は死ぬ時も、自然の大地に溶け込むように亡くなって行くのだろう。
最終的に、自信を付け過ぎちゃったウォルターが、微妙な感じもするけど、
ハッピーエンドとして、良しとしましょう。
最後にちょっと一言。
ネットで他の人の批評を見ると、男の旅がどうとかって言ってるのもあった。
男とか女とか、関係無いんだよ。
そういう事を言ってる手前勝手な男尊女卑の器の小さい男こそ、
厳しい自然環境に揉まれて来なさい。
女性が旅に出られないのは、二本足の息子や3本足のワンコを日々育てる為。
シェリルはユーモアがあって良かった。
ドタバタおバカコメディの印象が強いベン・スティラーなので、
もっと単純に笑えるコメディかと思っていたら、
しみじみとした味わいのシリアスな作品だった。
写真雑誌「LIFE」でネガの管理をしているウォルターはさえない中年男。
出会い系サイトに登録しているが、プロフィールに書き込む要素すら無い。
17歳で父親を亡くし、家計を支える為に働き始め、
それまでの子供らしい冒険心を失ってしまっていた。
「LIFE」は事業の再編成で、次号で廃刊が決まり、
ウォルターを含め、多くの社員がリストラされる事になる。
その折、有名カメラマンのショーンから次号の表紙用にと写真のネガが届くが、
肝心の作品のネガだけが見当たらない。
ウォルターは強権を振り回す経営陣への意地と、社員としてのプライドと、
密かに想いを寄せる同僚女性シェリルの励ましとで、
ネガを求めて、世界各地の厳しい自然環境を飛び回るショーンを探す旅に出る。
グリーンランドではヘリコプターから海に落ち、サメに追われ、
アイスランドでは火山の噴火からかろうじて逃げ延びる。
アフガニスタンからヒマラヤに入り、途中からはシェルパも無く、一人旅。
過酷だが、清々しい冒険の旅の果てに、やっとショーンと出会う。
実は、ショーンはウォルターへの感謝の意を込めて、
ネガと一緒に送った財布の中に当のネガを1枚入れていたのだった。
そして、それは、ひたむきに誠実に仕事に携わるウォルターを写したものだった。
地味でネガティヴだったウォルターは、内なる冒険心と勇気を目覚めさせ、
新しい人生を踏み出す。
シェリルにも想いを告げて、めでたしめでたし。
前半、ウォルターの妄想世界が頻繁に現れて、ちょっと面倒。
冒険を始めてからはそれが止む。リア充ね。
映像の処理とか効果とかについて技術的な事は分からないのだけど、
色彩の陰影を強く見せた映像で、荒涼とした自然の雄大な風景の数々が
美しく、時に物悲しく映し出され、旅心を誘われる。
その土地に住む人達にとっては日常の風景なのだろうけど、
最果ての土地の冷えた空気に心惹かれる。
まさしく、人生は冒険の旅。
BGMの使い方も美しい。センスの良さを感じる。
デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」のチョイスも感動的。
ヒマラヤの奥地で雪豹の写真を撮るべく、じっとカメラを構えている
ショーン・ペンの存在感が素晴らしい。
逞しさと優しさの同居した瞳、人生経験の豊かさを感じさせる額の深い皺、
飾らず、自然の懐と同化している。
ジャーナリストに時々見られるような、うざい自己主張の姿ではない。
こういう人は死ぬ時も、自然の大地に溶け込むように亡くなって行くのだろう。
最終的に、自信を付け過ぎちゃったウォルターが、微妙な感じもするけど、
ハッピーエンドとして、良しとしましょう。
最後にちょっと一言。
ネットで他の人の批評を見ると、男の旅がどうとかって言ってるのもあった。
男とか女とか、関係無いんだよ。
そういう事を言ってる手前勝手な男尊女卑の器の小さい男こそ、
厳しい自然環境に揉まれて来なさい。
女性が旅に出られないのは、二本足の息子や3本足のワンコを日々育てる為。
シェリルはユーモアがあって良かった。
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