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マンガ家Mの日常
ニール・ジョーダン監督、シアーシャ・ローナン主演のヴァンパイア映画。
「トワイライト」の成功以降、映画もTVもヴァンパイアものが溢れていたので、
どうなのかな、と思って、しばらく手付かずだった。


英国の海辺の田舎町に流れて来た母娘は、200年生きるヴァンパイアだった。
かつてのビザンチンから受け継がれたヴァンパイアの同盟は結束が固く、
上流階級の男性しかヴァンパイアになれないという厳しい掟があった。

200年前、漁村で働く貧しい娘クララは、ルヴェン大佐という男に
騙されるようにして売春婦にさせられた。
間も無く娘が生まれ、売春宿では赤ん坊は不要として殺されてしまうので、
エレノアと名付け、修道女が営む孤児院に預けた。
間も無くクララは結核を患い、喀血し始める。

クララに好意的だったダーヴェルという若い将校が病を患い、
同盟によってヴァンパイアに迎え入れられる。
岩礁のような小さな島の一角に墓所のような小さな神殿と言われる場所があり、
そこに入る事でヴァンパイアとなれる。
ダーヴェルはその後、病(性病?)に侵されたルヴェンを迎え入れようと
神殿への地図を渡すが、クララはそれを横取りし、ヴァンパイアになる。
その後、孤独と娘への思慕から、エレノアもまたヴァンパイアにさせる。

同盟の掟を破った二人は、命を狙われ、逃亡の旅を続ける。
クララは売春の仕事で金を稼ぐが、修道院で育てられたエレノアは
正直で真面目な生活に馴染んでいて、クララの生活に反発を感じている。
高校に入り、自分の人生を語るエッセイを書くという課題が出た時、
親しくなったフランクに向けて、ヴァンパイアの人生を描いた作文を見せる。
フランクは国語教師に相談してエレノアの作文を見せてしまう。
自分達の正体がバレてはならないと、クララは教師を殺す。
しかし、その事件の為に、同盟の追っ手に居場所が知られてしまった。

同盟の男がクララとエレノアを殺すべく迫るが、
ダーヴェルは相棒の男を殺してクララを守り、二人で生きて行く事を決める。
クララは成長した娘を手放し、自由にさせる。
エレノアは、白血病で苦しんでいたフランクを助けるべく、
ヴァンパイアへと迎え入れる。


現在と200年前の物語が交互に行き来する構成になっていて、
ややどっちつかずな印象を受ける。
ヴァンパイアものでは、永遠の人生を手にいれる決断であったり、
敵対者からの逃亡であったり、孤独であったりと、
大体いつも同じようなテーマの塊に集約される。
もう少しそこから抜け出た何かが見たいと思うのだけど、
現在のドラマの展開に物足りなさを思える。

フランクはバイト先のホテルで、飛び込みでピアノを弾くエレノアに一目惚れ。
ところが、白血病を患っていて、血液の凝固を防ぐ薬を常用している為、
小さな傷口からも大量の血が吹き出て、常に危険な状態にある。
自分が長くない事を知っているらしい。
エレノアの告白に戸惑いながらも、エレノアの手で殺される事を望む。
まぁ、結局はエレノアの案内で神殿に向かい、
永遠の命を手に入れてめでたしめでたしなんだけども。
このフランクとの関係性をもうちょっと膨らませられると良かったような。

冷たい湿気を含んだ海辺の町の映像はスタイリッシュで美しい。
そういうイマジネーションで、クララとエレノアの人生の断片を見る映画か。

シアーシャ・ローナンもどんどん大人の顔になって来た。
孤独に耐え、過酷な運命に抗う役柄が似合う。

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