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マンガ家Mの日常
ノルウェーの大人の恋愛映画。
ストーリーはいたってシンプル。


マリエは父アーンストと共に国立計量研究所に務める研究者。
研究所では日々様々な計量実験が行われている。
何だかオタクな世界。
マリエはパイロットの夫と離婚協議中。
離婚理由は不明だけど、この夫はマリエの留守中を狙って家財を持ち出すような男。
何だか感じ悪い。

アーンストが心臓発作で入院した為、
マリエは代理でパリの国際度量衡局の学会に参加。
各国の計量研究所が保管するキログラム原器が検査される。
学会でパイというニックネームのパリの男性と知り合う。
お互い電気自動車のユーザーである事から意気投合。

キログラム原器を預けて一旦帰国。
アーンストは退院していたが、
親から受け継いだ農場の納屋で眠るように亡くなっていた。
農場を遺産として受け継いだ事で、弟と不仲になって後悔していた事も分かった。

再びパリに行き、キログラム原器を持ち帰る。
夜間で研究所が閉まっていたので、その日は車で自宅に持ち運ぼうとするが、
夫が家財を運び出しているところに出くわし、そのまま車を出す。
農場に向かう途中、動揺から運転を誤り、車は横転。
キログラム原器の容れ物が破損してしまう。
キログラム原器自体にも問題が生じてしまったかもしれない。

パリの国際度量衡局に行き、補修を頼もうとするが、祭日で閉まっている。
偶然パイと出会い、相談すると、専門家を紹介してくれた。
パイは物理学の教授だった。
補修の間、デートを楽しむ。
数字オタク同士会話も弾み、楽しくベッドインに至る。


普段怒鳴り合いばかりのアメリカのドラマを見慣れているせいか、
必要最低限しか会話がないノルウェーの表現がある意味新鮮。
マリエはちょっとコミュニケーション障害に見えなくもない。
実際のノルウェーの人達はどうなのかな。

計量に関するオタクなシーンの数々が面白いね。
独自の設定を持った作品は強い。

自分の人生をどう秤にかけるかといった、じんわりとしたテーマ。
計量は厳密な世界だけど、
実際の世の中は意外に融通が利くものだったりもする。
トラブルを通してマリエは人の人間味に気づかされていく。

アーンストの遺灰を計量器にかけると1022gの表示が出て、
そこからするすると数字が減って1001gになる。
アーンストが語っていた、魂の重さ21gが抜け出た瞬間、
父の思い出に少し微笑むマリエ。

ラストのマリエとパイのベッドでの会話が笑える。
マリエ「15.5cm。」
パイ「違うよ、18cm。」
正確に計量しない方が良い事もある。



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