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マンガ家Mの日常
疲れているのに寝付けなくて、短めの映画を見る。

録画しっぱなしで、タイトルだけ見て、アメリカのラブコメかと思ったら、
フランス映画でした。それも、リュック・ベッソン監督、脚本。

結果は、やや、う〜ん、な感じ。
脚本が雑なんだよ。


電子機器等を扱う大手企業の協同経営者ジャン=マルクは、
人を人とも思わない、傲慢な仕事の鬼。
経費削減の為、郊外の優良な部品工場をあっさり切り捨てた。

二度の離婚歴があり、
元妻と暮らす19歳の一人娘の結婚式に参列する事になったが、
折しも広範囲のゼネストで、道は混んでるし、ガソリンの給油も出来ないしで、
式場のある村までなかなか辿り着けず、挙句に電気自動車に乗り換える始末。
偶然ヒッチハイクさせた女性マリーは、実は、
切り捨てたばかりの部品工場の社長の娘で、ジャン=マルクを恨んでいたが、
ジャン=マルクは正体を隠したまま同行し、恋に落ちる。

電気自動車は電池切れで度々窮地にはまり込むが、
その度に通りすがりの人に助けられる。
マリーは名刺を見つけてジャン=マルクの正体に気づき、激怒して別れるが、
ジャン=マルクはマリーへの思いと相まって、それまでの人生を反省し、
部品工場との契約を組み直して、会社を協同経営者に売却する決意をする。

娘の結婚式にもギリギリセーフで滑り込む。
マリーにプロポーズして、めでたしめでたし。


...ってね、そりゃラブコメだから、
すったもんだの挙句のハッピーエンドで良いんだけど、
展開や心理の変化があまりにも安直。
辣腕の会社経営者として数十億円のお金を右から左に動かしていたような男が、
娘と同い年くらいの若い美女に一目惚れして、コロッと態度が変わるなんて、
甚だ無理がある。
上映時間の短さは言い訳にならない。

エピソードに説得力が無い。
娘の結婚式に必死で駆けつけるのも、ただの良いお父さん。
会社では人非人で、家族に対しては善人って、バランスが変。
人格に一貫性が全く無い。ご都合主義。
こういうの、もしハーレクインで描いたら、
夢物語だ何だと、友人からまた攻撃されるんだろうけど、
有名なリュック・ベッソンの映画となると、世間が何となく褒め称えるのって、
納得しかねるね。

エコだなんだと言いつつ、電気自動車は電池切れが早くて、かなり不便。
電気自動車を小道具として扱ったエピソードとしては面白かったけど、
この調子だと、やっぱりパワーがあってスピードの出る通常のガソリン車が良い、
つまりは、元々の生活が良いって結論になっちゃうしね。
こういうところもエピソードとして不完全で矛盾を孕んでいる。

何やかんや、脚本の詰めが甘い。



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