フランスのヒューマンドラマ映画。
戦績49戦13勝33敗3分け、うだつの上がらない中年ボクサー、スティーヴ。
家に帰れば、ヘアサロンで働く妻マリオンと、2人の子供の優しい父親。
パンチドランカーになるのを心配するマリオンとは、
50戦目での引退を約束していた。
ピアノを始めて間もない娘のオロールにピアノを買い与えてやりたくて、
スティーヴは元欧州チャンピオン、タレクの復帰戦の
スパーリングパートナーの仕事を買って出る。
他の2人のパートナーに比べてヘッポコで、役に立たないとして解雇されるが、
直接タレクに頼み込み、再度雇われる。
実直な人柄と、相手選手に対する分析力を示し、タレクの信頼を得る。
試合の4日前、公開練習が行われた。
スティーヴは引退試合の前までは子供達に試合を見せないように決めていたが、
オロールの頼みに根負けして、練習試合を見に来るのを認める。
オロールは会場で父親にヤジが飛ぶ様子を見て、傷付く。
タレクは、スティーヴの献身に報いるべく、前座試合への出場を提示する。
デビュー戦の時の老トレーナーとマリオンに見守られて、最後の試合を戦い抜く。
ピアノの発表会で演奏するオロールを、舞台袖からそっと見守る。
原題は、そのまま「Sparring」。
邦題に苦労するのは分かるけど、「負け犬の美学」では、身も蓋もない。
映画から滲み出る優しさが、邦題からは感じられない。
クールな復讐もののマフィア映画なら良かったんだろうけどさ。
主演のマチュー・カソヴィッツは監督、俳優として活躍する才人で、
名作も多数手がけているが、日本での知名度は高くない。
その為、内容が分かりやすく伝わるような邦題にしたのだろう。
これは、現在、日本でフランス映画への関心があまり高くない事と、
フランス映画界自体が、低予算で、
目立つヒット作が乏しい事が根底にあるように思われる。
どんなに負け続けても、ひたむきに、好きなボクシングに打ち込むスティーヴ。
家族愛や選手間の友情にも満ちた名作。
...だけど、地味。
「ロッキー」のような一発大逆転の爽快感は無く、身の丈を全うする。
WOWOWでフランス映画特集が組まれていて、
続けて「パパは奮闘中!」のさわりを見ているが、
こちらもまた、恵まれない環境で家族を支える父親の話。
人生にとって、こうした事柄を受け止めるのは重要だとは思うけど、
貧しくて報われない話ばかりでは、映画をみる楽しみも報われない。
フランス映画界に、もっと活気が欲しい。
前述の通り、静かな感動のある穏やかな名作。
才能が無いことを自覚しつつ、それでも、ボクシングが好きだから、良いじゃん!
スーパーで量り売りの野菜や果物を買う時、微妙に重量をごまかそうとしている。
生活苦は確かにシンドイけど、お金では測れない人生の充実感がある。
「ロケットマン」でエルトン・ジョンの神童エピソードを見た後だけに、
余計に響くんだけど、
おそらく、オロールも、ピアノの才能には恵まれていない。
まだ練習不足ってのはあるとしても、演奏会のピアノは拙い。
父親と同じ、負け犬人生が待っている。
スティーヴも、それはきっと予感しているだろう。
でも、好きな事にとことん打ち込ませてあげたくて、ピアノを買ってやった。
世の中、一生涯勝ち続ける人生は無い。
負けて傷ついた時に、自分を支える何かを内側に持っているか。
それが悔いのない人生に繋がる。
戦績49戦13勝33敗3分け、うだつの上がらない中年ボクサー、スティーヴ。
家に帰れば、ヘアサロンで働く妻マリオンと、2人の子供の優しい父親。
パンチドランカーになるのを心配するマリオンとは、
50戦目での引退を約束していた。
ピアノを始めて間もない娘のオロールにピアノを買い与えてやりたくて、
スティーヴは元欧州チャンピオン、タレクの復帰戦の
スパーリングパートナーの仕事を買って出る。
他の2人のパートナーに比べてヘッポコで、役に立たないとして解雇されるが、
直接タレクに頼み込み、再度雇われる。
実直な人柄と、相手選手に対する分析力を示し、タレクの信頼を得る。
試合の4日前、公開練習が行われた。
スティーヴは引退試合の前までは子供達に試合を見せないように決めていたが、
オロールの頼みに根負けして、練習試合を見に来るのを認める。
オロールは会場で父親にヤジが飛ぶ様子を見て、傷付く。
タレクは、スティーヴの献身に報いるべく、前座試合への出場を提示する。
デビュー戦の時の老トレーナーとマリオンに見守られて、最後の試合を戦い抜く。
ピアノの発表会で演奏するオロールを、舞台袖からそっと見守る。
原題は、そのまま「Sparring」。
邦題に苦労するのは分かるけど、「負け犬の美学」では、身も蓋もない。
映画から滲み出る優しさが、邦題からは感じられない。
クールな復讐もののマフィア映画なら良かったんだろうけどさ。
主演のマチュー・カソヴィッツは監督、俳優として活躍する才人で、
名作も多数手がけているが、日本での知名度は高くない。
その為、内容が分かりやすく伝わるような邦題にしたのだろう。
これは、現在、日本でフランス映画への関心があまり高くない事と、
フランス映画界自体が、低予算で、
目立つヒット作が乏しい事が根底にあるように思われる。
どんなに負け続けても、ひたむきに、好きなボクシングに打ち込むスティーヴ。
家族愛や選手間の友情にも満ちた名作。
...だけど、地味。
「ロッキー」のような一発大逆転の爽快感は無く、身の丈を全うする。
WOWOWでフランス映画特集が組まれていて、
続けて「パパは奮闘中!」のさわりを見ているが、
こちらもまた、恵まれない環境で家族を支える父親の話。
人生にとって、こうした事柄を受け止めるのは重要だとは思うけど、
貧しくて報われない話ばかりでは、映画をみる楽しみも報われない。
フランス映画界に、もっと活気が欲しい。
前述の通り、静かな感動のある穏やかな名作。
才能が無いことを自覚しつつ、それでも、ボクシングが好きだから、良いじゃん!
スーパーで量り売りの野菜や果物を買う時、微妙に重量をごまかそうとしている。
生活苦は確かにシンドイけど、お金では測れない人生の充実感がある。
「ロケットマン」でエルトン・ジョンの神童エピソードを見た後だけに、
余計に響くんだけど、
おそらく、オロールも、ピアノの才能には恵まれていない。
まだ練習不足ってのはあるとしても、演奏会のピアノは拙い。
父親と同じ、負け犬人生が待っている。
スティーヴも、それはきっと予感しているだろう。
でも、好きな事にとことん打ち込ませてあげたくて、ピアノを買ってやった。
世の中、一生涯勝ち続ける人生は無い。
負けて傷ついた時に、自分を支える何かを内側に持っているか。
それが悔いのない人生に繋がる。
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