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マンガ家Mの日常
全26話完了。

キャラクター、舞台設定、マシンデザイン等々、
その後のジブリ映画に繋がる作品でした。

以前にも書いた通り、原作を知らないので、
どこまでが原作のままで、どこからが日本のアニメ制作者による改作か、
区別が出来なくて、意見しづらい面もある。

伸びやかな子供達の冒険譚としては楽しめた。
ただ、コナンがあまりにも超人的なのが、少し気になった。
陸海空を自由自在に動き回り、脚力も腕力もとてつもないパワー。
完全に非科学的能力。
鉄腕アトムなら納得出来るんだけど。
それとも、鉄腕アトム的なキャラクターを目指したのかな。

コナンとラナは後の「天空の城ラピュタ」に繋がるし、
二人を統合したのがナウシカだとも取れる。
モンスリー、レプカ、ダイス船長は言わずもがな。

思想的背景としては、単純なディストピアストーリーで、
行き過ぎた科学が人類を滅亡の危機に追いやり、自然回帰に向かう。
19世紀的なハイハーバーの村の生活が美しい。

そうなると、19世紀レベルの環境が、人間にとってベストだという結論になる。

しかし、進化はいつの時代であっても止められるものではない。

一旦落ち着いた状況下に置かれても、やがて再び進化は進行する。
インダストリア陥没の後も、飛行船や大型船舶といったものは必要不可欠。
ハイハーバーの村には爆弾作りの名人もいる。

歴史の時計を少し巻き戻しただけで、何も解決していないのだ。

アニメを見た子供達に、どう説明すれば良いのだろう。

巨大な飛行艇ギガント墜落のシーンは静かな演出が生きていた。
脱出艇にしがみつくレプカに、思わず手を差し伸べるコナン。
レプカにしがみつく戦闘員達の重みで、手が離れてしまう。
レプカと戦闘員達はギガントと共に静かに落ちて行く。
あっけない思いに囚われながら見遣るしかないコナン。
せっかくの闘争終結の場面なのだから、ハリウッド映画さながらに
大音響と大袈裟な悲鳴で盛り上げても良かったのだろうけど、
悪行の行く末の虚しさを、静けさで表現していた。

子供向けのようでいて、大人向けのアニメだった、
後のジブリ作品のように。


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