ウディ・アレン監督作品。


１９５０年代のコニーアイランド。
ジニーは子連れで再婚し、
夫のハンプティが見世物小屋を改装した家に住んでいる。
ジニーはかつては女優として舞台に上がっていたが、若い俳優と不倫。
苦しんだ末に夫が自殺するという事態に陥り、女優業を断念。
現在は遊園地内のレストランでウェイトレスとして働く。
息子のリッチーがガラクタに放火するのに熱中して、
問題を起こすのに苦悩している。
ハンプティは遊園地のメリーゴーランドの作業員。

ジニーは、ビーチのライフガードで脚本家志望のミッキーと浮気して、
ミッキーとの結婚を夢想している。

ハンプティの娘キャロライナは、親の反対を押し切ってギャングと結婚し、
暫くの間は華やかな生活をしていたが、悪事と暴力に嫌気が差す。
FBIに密告を強制され、夫の元から無一文で逃げ帰って来た。
ギャングの手下がキャロライナの居場所を探している。
見つかったら、殺される危険がある。

キャロライナを溺愛して支援に余念が無いハンプティと、次第に諍いが増える。
当てつけのようにミッキーにのめり込むジニーだったが、
ミッキーは同年代の美女キャロライナに一目惚れしてデートに誘う。

ギャングの手下がデート先のレストランに向かっていると知ったジニーは、
キャロライナに警告しようとしてレストランに電話をかけるが、
無言のまま切ってしまう。
キャロライナはミッキーと別れた後、手下に連れ去られ、行方不明になる。
事情を知ったハンプティはジニーをなじる。


これまでのウディ・アレンのお洒落で軽妙な路線とやや異なる雰囲気。
「欲望という名の電車」を想起した。
観覧車は、上り詰めた夢はじきに降りてくるという象徴。
ネオンカラーの画面が蠱惑的。

ケイト・ウィンスレット演じるジニーは、主張が強くて、
日本人からすると、ちょっとシンドイ。
３９歳という設定とほぼ同年齢で、まだまだ美しいけれど、
後ろ姿の腰回りは、中年女性のそれになって来た。
年齢を見せる事で、今後の役柄の幅が広がるだろう。

ミッキー役はジャスティン・ティンバーレイク。
遊び人という設定なので、それなりの美男子である必要性があった訳だけど、
ユアン・マクレガーだったら、もっと聞かせるモノローグが出来ただろうに。
とは言え、ケイト・ウィンスレットの演技に重量感があるから、
ミッキーは適度に軽めな方がバランス的に良いのかな。

ジニーは浮気が原因で前の結婚生活が破綻、夫の自殺という悲劇があったのに、
再婚しても、懲りずにまたもや浮気。
ハンプティが最高の男性だとは言い難いけれど、
それなりに家庭を大事にして、ジニーを愛している。
ジニーは、夫がどういう人であれ、恋愛の衝動を抑えられないのだろう。
降りた観覧車は、また上る。

ギャング役で、トニー・シリコとスティーヴ・シリッパが
連れ立っているのを見せられると、「ザ・ソプラノズ」が蘇るね。
ファンサービスなのかなぁ。
アマゾン・スタジオズの配給だから、
今作を見た後で、Amazonで「ザ・ソプラノズ」のDVDを購入して
一気見しましょう、とかいう宣伝？