ネタバレ注意
リチャード・ギア主演のヒューマン・ドラマ映画。
NYでフィクサーとして活動するノーマンだが、
実際は、ペテンギリギリだったり、
権力のある実業家からは、都合よく利用されたり、蔑まれたりという、
対人的にも、経済的にも、不遇な状態が続いていた。
会議でNYを訪れたイスラエルの政治家エシェルに近づき、
なけなしのお金で高級靴をプレゼントした事から親しくなる。
その後エシェルがイスラエルの首相になると、
以前はノーマンを冷遇していた実業家達も近づいて来るようになる。
運気が巡ってきたと思えたのも束の間、
様々な人達の要望の板挟みになり、綱渡り状態。
列車でイスラエル内務省の役人である美人アレックスと知り合い、
つい自分の仕事について話してしまい、
後々、その情報が元となり、窮地に陥る。
首相の座を追われるかもしれないとなったエシェルは、
ノーマンとの関係を切ると告げる。
これまでフィクサーとして、人と人とを結びつける事で、
彼等に利益をもたらしてきたノーマンは、状況を受け入れ、
全てをまとめ上げた上で、自ら命を絶つ事で全体を救うのだった。
邦題がイマイチ。
軽いコメディのノリで映画を宣伝したかったのか。
原題「Norman」は主人公の名前であるが、
無名の、正体不明の人物という側面も表現している。
ノーマンには優秀な弁護士となった甥っ子がいるが、
それ以外、プライベートが一切示されず、自宅にいるといった光景も無い。
無名性がフィクサーの特徴なのか。
いつまでも、「アメリカン・ジゴロ」「愛と青春の旅立ち」
もしくは「プリティ・ウーマン」といったロマンス映画の
お洒落な男性像のイメージが印象深いが。
今作のリチャード・ギアは、容貌の老いを晒し、
見栄を張るほどに、権力者に軽んじられる小物の惨めさに甘んじている。
ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッド
といったスター俳優達が、時には老いと失態を演じながらも、
どこまでもヒーローであり続けたのとは、違う道を進んでいる。
ノーマンがアレックスの気を引こうとして、
「望みを何でも叶えてあげるから、言ってみて。」と言うと、
アレックスは「自分の望みは、人の役に立てたと実感できる事。」と答える。
絶妙の答えに引き下がるノーマンだったが、
最後には、自分を犠牲にする覚悟で、関係者全員の利益を図り、
名も無き存在として死に向かう。
正直なところ、後味はあまりよろしく無い。
それぞれのエゴが渦巻く様子ばかりを見せつけられる。
エシェルが首相になり、ノーマンの株が上がるあたりの見せ場も分かり難い。
歴史の裏舞台の教訓というでもなく、自己犠牲の美しさというのでもなく、
テーマは何だったんだろうと考えてしまう。
人の役に立つとは、どういうことか。
そこをひたすら考える。
リチャード・ギア主演のヒューマン・ドラマ映画。
NYでフィクサーとして活動するノーマンだが、
実際は、ペテンギリギリだったり、
権力のある実業家からは、都合よく利用されたり、蔑まれたりという、
対人的にも、経済的にも、不遇な状態が続いていた。
会議でNYを訪れたイスラエルの政治家エシェルに近づき、
なけなしのお金で高級靴をプレゼントした事から親しくなる。
その後エシェルがイスラエルの首相になると、
以前はノーマンを冷遇していた実業家達も近づいて来るようになる。
運気が巡ってきたと思えたのも束の間、
様々な人達の要望の板挟みになり、綱渡り状態。
列車でイスラエル内務省の役人である美人アレックスと知り合い、
つい自分の仕事について話してしまい、
後々、その情報が元となり、窮地に陥る。
首相の座を追われるかもしれないとなったエシェルは、
ノーマンとの関係を切ると告げる。
これまでフィクサーとして、人と人とを結びつける事で、
彼等に利益をもたらしてきたノーマンは、状況を受け入れ、
全てをまとめ上げた上で、自ら命を絶つ事で全体を救うのだった。
邦題がイマイチ。
軽いコメディのノリで映画を宣伝したかったのか。
原題「Norman」は主人公の名前であるが、
無名の、正体不明の人物という側面も表現している。
ノーマンには優秀な弁護士となった甥っ子がいるが、
それ以外、プライベートが一切示されず、自宅にいるといった光景も無い。
無名性がフィクサーの特徴なのか。
いつまでも、「アメリカン・ジゴロ」「愛と青春の旅立ち」
もしくは「プリティ・ウーマン」といったロマンス映画の
お洒落な男性像のイメージが印象深いが。
今作のリチャード・ギアは、容貌の老いを晒し、
見栄を張るほどに、権力者に軽んじられる小物の惨めさに甘んじている。
ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッド
といったスター俳優達が、時には老いと失態を演じながらも、
どこまでもヒーローであり続けたのとは、違う道を進んでいる。
ノーマンがアレックスの気を引こうとして、
「望みを何でも叶えてあげるから、言ってみて。」と言うと、
アレックスは「自分の望みは、人の役に立てたと実感できる事。」と答える。
絶妙の答えに引き下がるノーマンだったが、
最後には、自分を犠牲にする覚悟で、関係者全員の利益を図り、
名も無き存在として死に向かう。
正直なところ、後味はあまりよろしく無い。
それぞれのエゴが渦巻く様子ばかりを見せつけられる。
エシェルが首相になり、ノーマンの株が上がるあたりの見せ場も分かり難い。
歴史の裏舞台の教訓というでもなく、自己犠牲の美しさというのでもなく、
テーマは何だったんだろうと考えてしまう。
人の役に立つとは、どういうことか。
そこをひたすら考える。
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック