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マンガ家Mの日常
バンド・デシネを映画化した作品。


プロヴァンスの山間の小さな村では、自転車が日常的に使われていた。
ラウル少年は郵便配達の父が自転車で街中を回る姿を見て、
いつかは自分もそうなりたかったが、何故か自転車に乗れなかった。
乗れない事を父に告白した瞬間、父は雷に打たれて亡くなってしまった。

小学校でも自転車に乗れない事をひた隠しにしていたが、
湖への遠足の途中でなんとか誤魔化そうとして自転車に乗ると、
坂で勢いがついて猛スピードで走り出し、凸凹に乗り上げ、
高く空中回転して湖に飛び込んでしまった。
クラスの皆は、曲芸のような様子を見て、ラウルを尊敬した。

自転車に乗れない事を隠し続けたまま、それでも自転車に魅了されたラウルは、
自転車修理の見習いになり、腕をあげて、やがて自分の修理工場を持つ。
美人と付き合うが、思い切って、自転車に乗れない事を告白すると、
バカにしていると思われ、フラれてしまう。
その後、気立ての良いマドレーヌと仲良くなり、結婚して家庭を持つ。

中年にさしかかった頃、写真家エルヴェが村に滞在して、
写真集を作成の為に村人を撮り始める。
ラウルとエルヴェは仲良くなり、
エルヴェはラウルが自転車に乗っている姿を取ろうと提案する。
焦ったラウルはカメラを盗み出したり、村から逃げようと考えたりするが、
やむなく撮影に応じる。
坂道を猛スピードで突っ走り、崖下へ墜落し、全身大怪我で入院。
ところが、崖に落ちる手前で偶然取れた写真が、空飛ぶように見え、
またしても曲芸的な大技として村中の喝采を浴びてしまう。

自転車に乗れない事を誰にも告白できないまま悩み続けるラウルだったが、
マドレーヌは息子の自転車練習を見て子供時代のラウルの姿を思い出し、
ラウルが自転車に乗れない事にやっと気づく。
夫婦で話し合い、ラウルはようやく安心感を得る。


ほのぼのした可愛い作品だけど、
まぁ、何があるわけでも無いんで、ちょっと退屈だったかな。
原作となったバンド・デシネが好評だったんだろう。
原作者のジャン=ジャック・サンペはフランスでは国民的作家で、
イラストやバンド・デシネも手がける。
ひょうきんな顔立ちの主演俳優ブノワ・ポールヴールドも、数々の賞に輝く名優。
残念ながら、どちらも日本で馴染みが無い。
フランスの文化が日本にあまり届いていない現状。

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