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マンガ家Mの日常
昨日、頭痛でダウンして昼間寝てしまった為、深夜に寝付けず、
短めの映画を見た。


ネタバレします。

メジャーな作品ではないので、これから見ようという人は少ないかもしれないけど、
サイコサスペンスなので、ネタバレは避けて下さい。


ヒッチコックタッチのサイコスリラー。
小規模の作品ながら、なかなか面白かったです。


クリスティーンは10年前に負った頭部への怪我が元で、
1日しか記憶が持たないという記憶障害になっていた。
寝て、目が覚めると、結婚前の20代前半の自分の記憶に戻ってしまう。
夫のベンは毎朝色々説明し、クリスティーンを支えていた。

ベンが仕事で家を出ると、医師のナッシュから電話がかかってくる。
ベンには内密にクリスティーンの治療に当たっていて、
クリスティーンが記憶を探れるよう、
就寝前にその日の事を自分で話して記録するべく、カメラに録画させていた。
ナッシュと会って話を聞くうちに、僅かずつ記憶の断片が甦って来る。
8歳で亡くなった息子や、ベンと浮気してしまった親友のクレアの存在について、
ベンが隠していた事にも気付く。
クリスティーンを悲しませたくないというベンの配慮からだったのか?

頭部への怪我は、浮気相手らしき男に襲われた事が原因だと分かる。
感謝の気持ちからベンにナッシュの治療について告白すると、
ベンは態度を急変させ、クリスティーンの頬を強打する。
カメラに録画したが、翌朝見ると消去されていた。
しかし、頬の痣は残っている。
クレアと連絡を取れるようになり、電話で話をするうち、
一緒に暮しているベンが、クレアの知るベンとは別人だと分かる。

ベンの正体は、かつての浮気相手マイクだった。
関係を終わらせようとしたクリスティーンに逆上し、半殺しの目に合わせた。
重篤な記憶障害が残り、家庭崩壊。
息子のアダムへの気遣いから、元夫のベンは離婚を申し出て、アダムを引き取った。
アダムは生きている。
その後クリスティーンは施設に入所していたが、
固執するマイクがベンを名乗って出所させ、夫と偽って生活し続けていた。

マイクは、全てを知ったクリスティーンを殺そうとする。
必死の思いで反撃するクリスティーン。
無事救出され、元夫のベンと、息子のアダムとの再会を果たす。


何せ、クリスティーンに全く記憶が無いんで、
偽のベン以外の登場人物も、どこまで真実を語っているのか分からないから、
見終わった後も、何となく微妙にいやぁ〜な感じがつきまとう。
まぁね、正統派の終わり方だった訳だけど。

細かく突き詰めると、あちこち設定に無理があって、破綻が生じるのだろうけど、
様々なアイデアは面白いと思う。

小品ながらキャストはしっかりしていて、
ニコール・キッドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、と、
なかなかの強者が揃って、作品の格を上げている。

ニコール・キッドマンは相変わらず美しくて、後ろ姿ながら全裸も公開している。
ただ、容貌を保つ為にボトックス注射等してもいるそうで、
そう思って見ると、頬の辺りはやや引きつっているような?
いつまでこの美しさを保つ責務から逃れられないんだろう。

端正な演技で知られるコリン・ファースが、珍しく悪役。
実の元夫役の俳優が、かなりな悪役顔だったんで、ちょっと笑えた。


普段の生活の中で、忘れたいのに忘れられない嫌な記憶が沢山ある。
全部すっぱり忘れられるのも幸福なのかも?

クリスティーンが息子アダムの存在に気づくと、
マイクはアダムが病気で亡くなったと知らせ、自らも嘆き悲しむふりを装う。
自分は悲しみに慣れて来つつあるが、
記憶の無いクリスティーンは知る度に当初の悲しみに襲われる。
それを避ける為に隠していたのだと言う。
クリスティーンに負い目を感じさせる為の計略ではあったんだろうけど、
考えさせられるエピソードだった。

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