ウガンダの独裁者、アミン大統領を描いた映画。
医師の資格を取ったばかりのニコラスは、冒険心に狩られて
ウガンダの小さな村に診療に赴く。
病院とは名ばかりで設備は乏しいが、信念を持った医師夫妻と共に
誠意を持って診療に当たる。
村での暮らしに慣れて来た頃、
就任間もないアミン大統領が近くに演説に来ると言うので、見に出掛ける。
独裁の前政権を倒したアミンはウガンダの英雄で、
村人同様、ニコラスもアミンの演説の上手さやユーモアのある人柄に魅了される。
帰路、事故で手を怪我したアミン大統領の治療をした事から、気に入られ、
主治医になるよう要請される。
ニコラスは村との契約の為に一旦は断るが、
アミンの魅力と、大統領の主治医と言う刺激的立場に釣られて引き受けてしまう。
発展の入り口にあったウガンダの未来は明るいかに見えたが、
アミンは反体制派を虐殺する暴君でしかなかった。
贅沢な生活に甘んじていたニコラスは気付くのが遅かった。
ニコラスはアミンの何番目かの若くて美しい妻ケイと情事に及び、
妊娠させてしまう。
アミンの知るところとなり、ケイは惨殺され、ニコラスにも危険が迫る。
ニコラスはアミン毒殺を企てるが失敗し、拷問される。
その途中、前の主治医だった黒人医師に助けられ、
間一髪で飛行機に乗り込み、故郷のスコットランドに帰る。
ニコラスは架空の人物だそうなんで、物語そのものはフィクションなのね。
見る人によって焦点は違って来るかもしれないけど、個人的には、
アミンがニコラスに
「白人と現地人というゲームをしてるつもりだろうが、これは現実だ。
自分達は人間だ。」と迫る場面が印象深かった。
白人が蹂躙したアフリカで、今度は現地人を救ってやろうという
白人の傲慢さが暴かれている。
だからアミンのした事が許される訳では無いけど。
フォレスト・ウィテカーの怪演については、この場で語らずとも
既に広く知られている通り。
アミン大統領って、演説で人心を掴むのに長けていたのね...。
ニコラス役のジェームズ・マカヴォイはまだ美少年然としてる。
この人は才気走った役所がはまる。
ケイ役は「スキャンダル」のケリー・ワシントン。
こっちの方が無理が無くてカワイイ感じだなぁ。
「スキャンダル」では、白人に同化した存在で、
ハリウッド的にはそうした方が良いんだろうけど、
今作みたいにもっとアフリカ系っぽい感じの方が美しく見える。
日本人には分かり難い差別の問題とかが色々あるんだろうけど...。
アミン大統領って、国を追われた後、結構長生きしてるのね。
そんなもんか。
ニコラスがフィクションだとは知らなかったんで、
帰国した後の感慨みたいなものを見せて欲しいと思ってた。
現実の歴史には簡単に答えは出ない。