実話を基にした映画。


心理学教授の父親と、アスリートの母親の元に生まれたモリーは、
幼い頃から学業とフリースタイルスキーの特訓を受けて育った。
スキーで五輪を目指すが、競技中の事故で大怪我を負い、断念。
2人の弟達が両親の希望に沿ってエリートコースを歩むのに引け目を感じ、
モリーは学業も中途に、LAで新しい生活を始めた。

クラブで日銭を稼ぐ中、ポーカーゲームの運営者ディーンと知り合い、
助手になり、ポーカーの世界にどっぷり浸かるようになる。
才覚を発揮するモリーを恐れたディーンに解雇されると、
ディーンの客をかっさらって、自分でポーカーゲームを運営し始める。

上客が次々に集まり、成功を収めたかに見えたが、客とトラブルになり、
NYに拠点を移すと、今度はロシアンマフィアに目を付けられる。
睡眠不足を補う為に薬物依存になり、精神的にも疲弊し、
大きなゲームを最後に、一稼ぎして足を洗う事にする。

しかし、違法な手数料を取った事をFBIに知られ、逮捕、起訴される。

弁護士チャーリーの助けを得て、裁判を乗り切り、収監を免れる。
不利な裁判をチャーリーが引き受けたのは、
モリーの公正な人柄に共感したからだった。

父親は、モリーが賭博の道に進んでしまったのは、
権威のある男性を支配したいという、隠れた感情からだと分析する。
その原因は、自分の浮気にあったと告白し、和解する。


多少の脚色はあるにせよ、これが実話ベースってところが凄い。
ゴージャスな世界をクールな展開で描いている。
「ザ・ホワイトハウス」「ニュースルーム」等で知られる
アーロン・ソーキンの初監督作品。

少々苦言を呈させていただくならば、
モリーやチャーリーの人物像、あるいは、父親との和解のシーン等を含め、
全体がやや綺麗事でまとめられている感が拭えない。
もっと人間の雑味を見せてくれた方が、感情に訴えかけると思う。
モリーの常連客で、ポーカーの負けが込んで、人生破滅しちゃったり、
自殺しちゃったりした人がいるって、サラッと言われても...。

マシンガンのような説明台詞は、テンポを上げる効果はあるものの、
ポーカーゲームの仕組みや、日本と異なる裁判制度を
瞬時に理解するのはキツくて、時々ビデオを止めてしまう。

主演のジェシカ・チャステインは、これまで殆ど記憶が無かった。
タイミングが悪くて、出演作を見逃していたんだろう。
強い存在感。
Wikiで見ると、凄い受賞歴。

チャーリー役はイドリス・エルバ。
今後、この人がポスト・デンゼル・ワシントンになっていくのかな。