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マンガ家Mの日常

ジョディ・フォスター監督、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ主演。
ウオール街を舞台に、金融取引の詐欺が暴かれるサスペンス映画。


金融情報番組「マネーモンスター」の司会を務めるゲイツのまさに番組生収録中、
宅配を装った男カイルが銃をかざして乱入。
カイルは亡くなった母親のアパートの部屋を売り払って手に入れた遺産6万ドルを
番組でのゲイツのお勧めに従ってアイビス株に投資したが、
大暴落し、一瞬で全財産を失った。
大暴落はアイビス社が株の取引に使っているコンピューターシステムのバグによる
不具合が原因だと見られているが、カイルは納得出来ない。
ゲイツに爆弾ベストを着せてスタジオに立てこもり、番組をそのまま中継させる。

ディレクターのパティは他社から引き抜きがかかっていたが、
番組に責任を持ってその場に残る。
スタッフを少しずつ避難させながら、ゲイツに指示を出して収拾に務める。
カイルはスタジオに乗り込むことを決意した時点で、死を覚悟していた。
番組を続けるうち、ゲイツは少しずつカイルに感情移入し、打ち解け合う。
カイルは、爆弾は実は粘土だと明かすが、
ゲイツはカイルを守る為にも警察には知らせずにいる。
カイルを落ち着かせる為にも、アイビス社に連絡を取ってインタビューを試みる。
広報担当のダイアンはCEOウォルトの愛人だが、仕事真面目で真摯に対応する。
パティとダイアンが協力して状況を調べ始めると、怪しい面が浮かび上がって来た。

ウォルトは幹部と共に裏工作で利益を得ていた。
株の資金を流用して南アの鉱山に投資していたが、今回は裏工作に失敗し、
8億ドルを失った。
その隠蔽でシステムのバグを偽装したのだった。

ウォルトは逃走を図るが、ゲイツ達に取り押さえられ、
TVカメラの前で犯罪を認めざるを得なくなる。
しかし、全財産を失い、妊娠中の恋人にも愛想尽かしされたカイルは絶望していて、
不用意な行動を取り、SWATに射殺される。

TVの中継は終わり、釘付けになっていた一般の人々は画面から離れる。
市場も何事も無かったかのように推移している。
金融詐欺の実態を世に知らしめようとしたカイルの行動や
番組スタッフの決死の努力は果たしてどれくらい人の心に響いたのか。


今作ではジョージ・クルーニーが薄っぺらい男を上手く演じている。
声のトーンを僅かに上げてるのかな。
少しずつ人間味を見せていく様子もはまっていて良い。

アイビス社CEOウォルトはドミニク・ウェスト。
「アフェア」の不倫男役が目に染み付いちゃってるな。
今作では不倫エピソードは無くても成立するんだけど、胡散臭さ全開。

後半、ウォルトがあっさり姿を現して犯行を認めちゃうのはいきなりな感じだけど、
全体としては、社会性とエンターテインメントが程良いバランスで、
ジョディ・フォスターの知性が上手く作用した作品に仕上がっている。
演技の面ではこのところちょっと押し付けがましさが目立っちゃってるからね。
映画の時間が、実際の時間にほぼ連動した形で進行するのも、緊迫感を高めている。

脚本の白眉は、
カイルを説得する為に連れて来られた筈の妊娠中の恋人モリーが、
TV中継の中でカイルに向かって思いっきり悪態をついて、
まさかの愛想尽かしする場面。
警察はうろたえ、TVの視聴者は失笑。
人生甘くない。



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