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マンガ家Mの日常
テニス界のスーパースター、ビヨン・ボルグとジョン・マッケンローが
1980年ウィンブルドン決勝で戦うまでの模様を描いた映画。


ウインブルドン5連覇の重責に苦しむボルグと、
次世代王者の座を伺うマッケンロー。
一躍脚光を浴び、ロックスターのようにマスコミから注目されていた。

2人は共に少年時代は練習や試合中にすぐキレるタイプだったが、
ボルグはベルゲリンコーチとの出会いによって、冷静さを学んだ。
マッケンローは微妙なジャッジの度に猛抗議を繰り返し、
悪童と呼ばれ、観客からブーイングを受けていた。
それは、マッケンローなりの集中の仕方ではあったが、
友人のフレミングとの試合でも醜態を披露し、試合を壊したとして、
フレミングから諌められた。

最大にして最高のライバルとの決勝戦を迎え、
マッケンローは冷静である事を努め、戦い切った。
フルセットの熱戦で、ボルグが勝利を掴み、
栄光のウィンブルドン5連覇を成し遂げたが、
トップに上り詰めた5年前から精神的に疲弊していたボルグは、
翌年、26歳の若さで引退する。


テニスファンとしては、楽しみにしていた映画。
ボルグを演じたスヴェリル・グドナソンのストイックな雰囲気が良い。
マッケンロー役のシャイア・ラブーフは、顔立ちがあまり似てなくて、
悪童ながらチャーミングだったマッケンローの魅力に追い付いていない。

映画全体としては、低予算で製作された感が否めない。
脚本もややボヤけていて盛り上がりに欠けるし、
見せ場となる試合のシーンも、物足りない。
中盤、ボルグのコーチ、ベルゲリン役の名優ステラン・スカルスガルドの
演技の重量感が目立ち、主役が誰なのか、ブレてしまっている。

テニス界のレジェンドの対戦を描いた作品なので、
もっと製作費をかけて、しっかり作って欲しかった。
スポーツ物の映画として、
F1レーサーのニキ・ラウダとジェームズ・ハントのライバル関係を描いた
「ラッシュ/プライドと友情」くらいの出来を期待してたんだけどなぁ。

この時代の試合は生では見ていないのだけど、
ゲルレイティスや、その後も長く活躍したコナーズといった
個性的な選手が登場する場面が楽しい。

スウェーデンのテニス協会は、話題作りの為に
15歳で頭角を現して来たボルグのデ杯出場を強行させた。
デ杯監督だったベルゲリンは、まだ早過ぎると反対したが、押し切られた。
見事勝利を収めたボルグには大きなステップアップとなったが、
プレッシャーものしかかって来て、
それが、後年、引退を早める結果に繋がったのかもしれない。
スウェーデンはその後、
エドバーグやビランデルといったチャンピオンを輩出。
テニス協会が若手の育成に力を入れていた時代の記憶が蘇る。
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