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マンガ家Mの日常
以前放送された時に録画して、ダビングしたまま、
なかなか観る時間を持てずにいた。
ディスクに落としちゃうと、いつでも観られると思って後回しにしてしまいがち。


センセーショナルな映画「クライング・ゲーム」で脚光を浴びた、
ニール・ジョーダン監督作品。
地元アイルランドを舞台にして、今作でも英国軍とIRAの対立が
ストーリーに絡んでいる。


生まれてすぐに教会の前に捨てられたパトリックは、里親の元で育てられた。
物心ついた頃から女装に馴染み、ちょっと浮いた存在だったが、
仲の良い友達もいて、楽しく過ごしていた。

ある日、里親の元に届いた封筒を無断で開封すると、小切手が入っていて、
差出人はリーアム神父の名義になっていた。
パトリックはリーアム神父が教会の使用人に産ませた子供だと気付く。
母親に会いたい衝動が募り、リーアム神父から名前と住所を聞き出し、
母親がいるロンドンに向かう。
しかし、その住所の建物は既に取り壊されていた。
母親に出会える望みを捨てられず、ロンドンを彷徨う。

歌手のビリー、マジシャンのバーティらと付き合うが、長続きしなかった。
ビリーはIRAの武器調達の手伝いをしていた。

英国軍とIRAの抗争が激化し、幼馴染を失う。
その後ロンドンのクラブで爆発騒ぎに巻き込まれ、
アイルランド出身という事から犯行グループの一員と疑われ、逮捕される。
1週間厳しい尋問を受けるが、元々無関係なので何も話す事も無く、釈放。
仕事も無く街娼をしていたところ、尋問相手の刑事と出会い、
危険な街娼よりはと、のぞき部屋の仕事を紹介される。

アイルランド時代の友人アーウィンはIRAに参加していたが、
麻薬所持で逮捕された恋人チャーリーの減刑の為に
警察に情報を流したのがバレて、射殺される。

パトリックは素性を隠して母親と会う事に成功。
穏やかな家庭の様子に触れ、事実を告げずに去る。

リーアム神父がチャーリーからパトリックの居場所を教わり、会いに来る。
全ての事情を話し、2人でアイルランドの教会に戻る。
アーウィンの子供を産んだチャーリーとも仲良く過ごす。


女装の青年、IRAの抗争といった要素から、
「クライング・ゲーム」のような悲劇的な展開を予想していたけど、
ひたすらマイペースで楽観的なパトリックの生活が淡々と進む印象。
もちろん、様々な浮き沈みはあるのだけど、
女装について特に酷い扱いを受ける感じでもなく、結構受け入れられている。
パトリック本人はIRAの活動に関心は無く、行きずりの被害者的な関わり方。

原作のタイトルは「Breakfast on Pluto」という60年代の楽曲から来ていて、
気持ちを明るく保ちながら、広い宇宙に冒険の旅に繰り出す感じ。
Pluto(冥王星)という辺りにテーマの隠し味があるのかな。

U2のファンなので、アイルランドにはそれなりの馴染みがあるんだけど、
やっぱり、文化的な背景をもっとよく知らないと、伝わり難いものがある。


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