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マンガ家Mの日常
グラフィックノベル「I Kill Giants」原作の映画化。


具体的な説明は無いのだけど、おそらくアメリカ東部の海岸沿いの町。
ローティーンの少女バーバラは、町を巨人達の襲来から守るべく、
罠を仕掛けたり、結界を張ったり、日々海岸や森の中を走り回っている。
兄のデイヴはTVゲーム三昧。
姉のカレンは社会人で、仕事と家事に奮闘している。

英国から引っ越して来たソフィアから話しかけられ、友達になる。
ソフィアはバーバラの巨人襲来の話にも耳を傾ける。
空想の世界に浸るバーバラは周囲としばしば諍いを起こし、
一時期はソフィアも匙を投げかけるが、
いじめっ子のテイラーに殴られて気絶したバーバラを自宅に運ぶと、
バーバラの悩みの原因を知り、改めて友情を深める。

バーバラは常にポシェットに手製のハンマーを携帯しており、
100年程も昔に活躍した大リーグ選手
コヴェルスキーにちなんだ名称を付けていた。
バーバラが籠っている地下の部屋に古いテープレコーダーがあり、
母親がコヴェルスキーの活躍について語るテープが入っていた。
フィラデルフィア・フィリーズで活躍したコヴェルスキーのニックネームが
「ジャイアント・キラー」だった。

2階の寝室には、重病で寝たきりの母親がいた。
バーバラは母に迫り来る死を「巨人」に見立てて戦っていた。
しかし母の死を恐れるバーバラは、寝室のある2階にさえずっと行けずにいた。
「巨人」とは、バーバラ自身が心の中に抱く、恐怖や不安、孤独の影だったのだ。
ソフィアやカウンセラーのモル先生の支えもあって、
バーバラはやっと母親と対面して話す事が出来るようになった。

数ヶ月後、母親は静かに息を引きとる。
「巨人」は穏やかさを取り戻したバーバラを見送るように海に帰って行く。


邦題は、ややネタバレ的だな。

パンフレットの短い解説文がわずかに記憶にあっただけで、
何だか暗そうな恐怖映画かと思って、長く手を付けずにいた。
ローティーンの少女の心の変遷を描いて、なかなかジワる作品でした。

見過ごしたのか、作中に説明が無かったのか、父親の姿が無い。
野球の話を、父親ではなく母親としていたのだから、
父親は早くに亡くなっていて、母親が父親代わりでもあったのだろう。
母親の病気についても、はっきりした説明が無い。
まぁ、そういう事は映画の主題を鈍らせるから、説明を避けたのだろう。

いつもながら、子供達の演技が凄くて、引き込まれる。

「恐怖」を化け物の姿で表現するのは、欧米に根付いている。
(実はほぼ読んでいないのだけど)やっぱり「進撃の巨人」をふと思い起こした。
こちらの巨人も、何らかのメタファーだったりするのかな。



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