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マンガ家Mの日常
昨年のアカデミー賞作品賞受賞作。

通好み、と言うか、ちょっと面倒な感じだった。


リーガンは「バードマン」というアメコミヒーロー映画で一世を風靡。
その後は振るわず、再起をかけてブロードウェイで自らが主演の劇を企画。
プレビューを控えて緊張が高まるばかり。
下手な役者が怪我をして、名優が代役で入って喜んだのも束の間、
良いように舞台も劇評も乗っ取られてヤキモキ。
落ちぶれたハリウッドスターが神聖なブロードウェイを荒らしに来た、と、
ベテラン評論家には毛嫌いされる。
 
リーガンの意識はバードマンの幻影に悩まされ、崩壊して行く。
舞台の初日、ラストの自殺シーンで、本物の銃で頭部を撃ち自殺を図る。


映画や演劇の仕事に携わる人達にとっては重要な作品なのかもしれないけれど、
素人の観客にとっては、関係無い悩み事のように感じられてしまった。
自意識過剰で身勝手で傲慢な元スター。

ロングショットの撮影法にしても、どう難しかろうが素人には関係無い。
劇場の密閉空間や人との距離の近さから生じる圧迫感は感じられた。

リーガンはバードマンに意識を乗っ取られつつある事から、
超能力者であるかのように思い込んでいて、
映画はその意識に従って表現されている。
正直なところ、ビルの屋上から飛び降りるシーンはちょっと怖くて、
R-13くらいの指定は必要ではないかと感じた。

舞台での自殺の後の病室のシーンは、リーガンの幻影に過ぎないと思う。
顔に巻かれた包帯は劇中の老夫婦の愛情の話を体現したもので、
自分がそうありたいという願望。
元妻や娘との和解も本人の願望の表象。
包帯とその下の腫れ上がった鼻はまさしくバードマン。
そして、気難しい評論家からの賞賛の記事。
この記事は何だか意味不明。
そして、窓から外へ飛び立つ。
死の直前にリーガン本人としては人生を全うしたと感じたのか。
むしろ、自我を消し、バードマンの憑依を受け入れたように見られる。

大スターの過去と決別出来ずもがく姿が、一瞬、清原和博と重なった。


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