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マンガ家Mの日常
WOWOWでガエル・ガルシア・ベルナルの特集をやるというので、録画。
公開の年代からして、もしかして見た事があるかも?と思った。
見進めると、既視感があるんだけど、
内容はすっかり忘れてしまっていたので、楽しんで観れた。


新進映画監督エンリケの事務所に、ある日突然、同級生だったイグナシオが現れる。
今は俳優としてアンヘルと名乗っていて、自作の脚本を持参する。
10歳かそこらの頃、二人は寄宿制の神学校にいて、友情を超えた関係にあった。
聖歌隊に所属していたイグナシオは神父に性的虐待を受けており、
それを知ったエンリケは退学させられる。
以来ふたりは離れ離れになっていた。

しかし、エンリケはイグナシオが別人ではないかと疑う。
イグナシオの実家に行って調べると、イグナシオは既に他界しており、
事務所に現れたのは弟のホアンだと分かった。
ホアンは俳優としてのステップアップの為、
エンリケが興味を持ちそうな企画を持ち込んだのだった。

脚本の内容は、虐待を受けて育ったイグナシオが、性転換者になり、
手術費用を得る為にかつての神父を脅し、殺害される、というものだった。

エンリケはホアンを主役にして映画を撮り始める。
しかし、イグナシオの死の真相は少し違った。

神父は現在は出版社の編集者になっていた。
虐待を小説の形にして公表すると脅したら、原稿を買い取りたいと言って来た。
元神父はイグナシオのアパートで弟のホアンに会い、一目惚れ。
女性化したイグナシオにはもはや関心は無く、
若く健康で、少年のようなホアンに惹かれていった。
ホアンにとって、性転換者の兄は重荷だった。
元神父とホアンは共犯関係に成り、イグナシオに強い麻薬を勧めて、死を目論んだ。

兄の排除に成功し、俳優としても名声を掴んだホアンだったが、
映画で兄を演じた事から、精神的に共鳴し影響されるものがあったのか、
心境は複雑なままだった。


スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の自伝的作品との事。
その為か、はっきりした結末が付けられていない。
現実、回想、脚本、映画撮影、等々が絡み合って、
映画の中で、何が真実であったのかも曖昧にされている。

前半は性的虐待の問題がクローズアップされるが、
後半は推理小説のような趣になる。
観客へのエンターテインメントとして撮るなら、
サスペンスとしてもっと作り込む事も出来ただろうけど、
自伝としての思い入れが強かったからか、やや中途半端なバランスになった。

ガエル・ガルシア・ベルナルの流し目が強烈!
他の俳優さん達も良かったです。

ヴィヴィッドな色使いのセットがスペインっぽい。
衣装はなんと、ジャン・ポール・ゴルチエ。




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