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マンガ家Mの日常
シリアからの難民がハンガリー経由でドイツやイギリスに向かっている。
海をゴムボートで航行中、転覆して、父親は助かったものの、
母親と幼い子供達が溺死してしまった。
僅か3歳の男の子が浜辺に漂着し、うつぶせのまま息絶えている姿が
世界中に大きく報道された。
地元の警察官か救命士が男の子を抱きかかえている写真はまだしも、
Facebookで、男の子が亡くなったままの姿になっている写真がシェアされていて、
嫌が応にも目に入ってしまった。
TVニュースでも、番組によっては、
事件の悲惨さを訴える為にその写真を放送している。


難民問題は勿論今に始まった事では無くて、
ずっと前に見た「ジャーニー・オブ・ホープ」がいつも思い起こされる。

1990年に公開されて、アカデミー賞外国語映画賞に輝いた。

トルコの生活難民がスイスに向かう話。
旅の成功の守り神として、小さな男の子がひとり連れて行かれる。
しかし、苦難の果てに男の子は亡くなり、
大人達は山を越えられずに捕まり、自国へ帰される。
タイトルとは全く違う、ノー・ホープな話。

映画の中のその男の子と、シリアの浜辺の男の子の姿がダブった。


受け入れる側の国にも事情があるので、事は簡単には運ばない。

内戦程、無益で愚かしい事は無い。


「報道ステーション」で写真が公開され、難民問題について語られる中、
画面がCMに変わった。
男性用増毛かつらのCM。

男性が美しいヘアスタイルを手に入れて楽しい人生を送りたいと願うのは
決して間違った事では無い。

しかし、これが日本の現実。日本人の関心事。

落差に愕然とさせられた。


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