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マンガ家Mの日常
WOWOWのプログラムで一応紹介文は読んでいて、
恋愛映画として見始めたんだけど、何だか大分勝手が違った。

あ、監督がテレンス・マリックなのね。

アメリカ人男性ニールがフランス人女性マリーナと恋に落ちて、
アメリカの地元で結婚生活を始めるんだけど、些細な事でイラついてケンカして、
マリーナは出来心で浮気しちゃって、離婚。フランスに帰る。
おしまい。

何となく好きに生きてる男女の日々が淡々と綴られるのみ。
ハンディカメラで追いかける映像は不安をそそり、
全体が映像のコラージュで見せる美しい散文詩のような感じ。

人生のいつかどこかで、こういう映画に感動する時が巡って来るかもしれない、
とは思うんだけど、今は全然、何が何やらな感じ。
タイトルを直訳すると「奇跡へ」とか?
そういう、何か哲学的な、宗教的なイメージが含まれているのかな。

ニールは地質調査員の仕事をしてる。
現場の労働者にも地元住民にも歓迎される様子が無い。ちょっと気の毒。
寡黙で、友人と飲みに行ったりってのも全く無い。趣味も無い。
演じてるベン・アフレックをハンサムだと思うかどうかは意見の分かれるところ。
今作では特に無骨な感じ。
でもやたら美人が好きで、マリーナと別かれてるちょっとの間にも
美人の元カノ?と付き合ってた。

マリーナは17歳でできちゃった結婚して、娘が11歳。
一度はアメリカに連れて来たけど、生活が合わず、
フランスの父親の家で暮らしてる。父親は再婚してるらしい。
マリーナは何だか毎日フワフワ暮らしてる。何してるんだろ?
家事をしてる風でも無くて、家の中はガランとして生活感が全く無い。
何をどうしたいんだか、見ていて全く分かんない。
そこら中でフラフラ踊ってんじゃねぇよっ。
離婚が決まってフランスに帰る事になって、空港でのシーンで一言、
『旧姓には戻さない。」って...。ちょっと怖い。

マリーナ役のオルガ・キュリレンコが、バレリーナのような体型をしている。
細くてしなやかなスタイルにただ嫉妬しながら見るばかり。

普遍的な男女関係がテーマなんだろうけど、
フツーの人々はこんな風に本能的にばかりは生きてやしないからねぇ。
冒頭とラストで、モン・サン・ミッシェルの浜辺を歩くシーンが入る。
海水を含んだ遠浅の浜辺は一歩進む度にグラグラと浮き沈みする。
満潮になれば危険。海でも無く、大地でも無く、どっちつかずのあわいの世界。
そういう象徴としての表現なんだろう。

こないだはド派手な麻薬ディーラーを演じてたハビエル・バルデムが
今作では神父の役だって。何でもやるね。
なんか訳ありっぽいんだけど、貧しい人達を気遣う良い神父様でした。

ダニエル・ラノワが音楽で参加してる。
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