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マンガ家Mの日常
実話を基にした社会派ドラマ映画。


20世紀後半、
軍事用に開発されたテフロンの技術が、
世界的化学会社デュポン社によって、家庭用品に応用された。
それは一見、生活の向上に寄与したようだったが、
有毒廃棄物の強引な投棄によって、
ウエストバージニアの農村地帯で、深刻な健康被害をもたらしていた。

ロブは大手法律事務所でパートナーに昇格した有能な弁護士。
ロブの祖母の知り合いという農夫テナントが突然事務所を訪れ、
デュポン社の有毒廃棄物による被害について訴える。
テナントの農場では牛が次々に変死していた。
原因を探ったテナントは、デュポン社の有毒廃棄物の実態を把握する。
ロブの事務所はむしろ企業側にあったが、
テナントの訴えに心を動かされたロブは、調査を開始。
孤独な闘いが始まる。

大量の書類を調べ上げ、有毒な化学薬品を突き止める。
被害のあった農村地帯の住民の採血や健康状態等のデータを取り、科学調査に出す。

こうして、住民達の賛同と協力が得られた辺りで、
今までの映画だったらハッピーエンドを迎えるところだけど、
今作ではまだ半分。
むしろ、その先に今作のテーマがある。

データが大量な為、完了に長い年月を要し、
その間、テナントは癌で亡くなってしまう。
巨大企業に歯向かったロブは命の危険さえ感じながら、手続きを進めるが、
他の顧客を失い、事務所での報酬は3分の1にまで減給されてしまう。
デュポン社は莫大な資金を背景に訴訟を長引かせ、
ロブ達の心を挫こうとするが、
訴訟は原告の勝訴が続き、デュポン社は遂に折れる。
原告団は6億ドルを越す賠償金を受ける。


デュポン社を検索すると、
設立は1802年、アメリカの3大財閥企業と紹介されている。
元は兵器産業。
そりゃあ、強い筈だわ。
映画を観てると、
こんな巨大企業が、貧しい農夫をいじめている様に腹が立つ。
そして、巨大企業相手の訴訟の険しさ...。
身体を壊し、生活を壊し、全てを投げ打って闘ったロブの執念に敬服する。
全ての弁護士は弱者の味方、正義の側にあるべきだけど、
ここまで信念を貫ける例は稀だろう。
アメリカらしい正義感の映画。

ロブの妻サラを演じたアン・ハサウェイが良い。
前半は何故か画面で顔があまり映らず、誰だか分かり難いが、
後半、存在感を示す。

製作、主演はマーク・ラファロ。
...井手先生の事件の印象が残っていて、観ていて微妙。
マーク・ラファロは何も悪くないんだけど。
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