ネタバレ注意


オランダ郊外の小さな村を舞台にしたサスペンスドラマ、
「オルデンハイム〜１２の悲劇〜」の第２段。（前作とは無関係の話。）


１９９５年に行方不明になった少年オラフが、２５年経って村に戻って来た。
しかし、強盗に頭を殴られた後遺症で、過去の記憶が無い。
自分が本当にオラフなのかも定かでは無い。
現地を周り、少しずつ記憶を取り戻す。
そんな中、過去にオラフと深く関わった人々が殺害されていく。
現金泥棒に濡れ衣を着せた元同級生マウト。
オラフを叱責した父親。
隠れゲイに秘密を暴かれないようオラフを脅した体育教師レオとエリック。

オラフは、同時に失踪したとされる少女アリスの行方に関しても、
殺害等の関与を疑われていた。
オラフは森に埋められていたアリスの遺体を発見する。

オラフと思われていた男は、全くの別人で、記憶喪失も偽装だった。
男はオラフの親友で、男の妹ソフィーはオラフの恋人で、妊娠していた。
しかし、スハウエンダムでの過去の体験に苦しむオラフは自殺し、
ショックからソフィーは流産してしまう。
男はアリスの死の原因を突き止めるべく、オラフに成り代わって村に来た。
ソフィーは先に村に移住し、アリスの元カレのロヒールの秘書兼愛人となって、
調べを進めていた。

１９９５年の事件当夜、アリスとオラフの中を嫉妬したロヒールが、
オラフにドラッグを無理矢理飲ませて意識を失わせる。
オラフが意識を取り戻すと、側にアリスが倒れていて、
オラフの手には血が付いた石が握られていた。
動揺したオラフは、アリスを土に埋め、逃げ去ったのだった。

若手の警官ピムが、事件当夜の警察への通報の電話から、犯人を突き止める。
当時テッサの母ヨゼは深刻な育児ノイローゼで、
危うく赤ん坊のテッサを殺しかけた。
ヨゼは、助けを求めに来たアリスに、その現場を見られたと思い込み、
森の中まで追いかけると、思わず石を掴んで、アリスを殴り殺してしまい、
オラフの仕業に見せかけようと、石を握らせた。

愛するオラフを失ったソフィーは、兄が止めるのも聞かず、
復讐の為、関係者を次々殺害した。
ロヒールと、ロヒールの妻でアリスの妹のウィレマインも殺害する。
最期にアリス殺害の本当の犯人を知らされ、塔から飛び降り自殺を図る。


まあまあ面白かった。
でも、所々もう少し整理されていれば、もっと面白かっただろうにと思えた。

警察官ピムの妻が育児ノイローゼで、ピムはずっと心配させられ通し。
そこにヨゼが関わって、真犯人解明への伏線となるとはね。

全１０話で、９話目のラストで、連続殺人犯の正体がわかる。
それまでの謎解きがちょっと緩くて、１０話目で一気に紐解くのが、
やや慌ただしく感じられる。
事件解明のクライマックスに、もう少し時間を取った方が、
もっとスリリングになったんではなかろうか。
サスペンスは脚本上の構成が命なので、エピソードのバランスを整えるのが肝心。
もう１ランク、上手い脚本家が書いたなら...。

５話ずつ、２週に分けての放送で、ほぼ一気に見られたので、
緊張感が持続して見られたのは良かった。

テッサは良い娘で、オラフを偽装して来た男とも親しい仲になったけど、
父親のレオは隠れゲイが発覚して、過去のオラフへの脅迫が元で殺害され、
母親のヨゼはアリス殺害の真犯人と判明。
人生、急転直下でメチャクチャ。
テッサのその後の人生が気になる。