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マンガ家Mの日常
鑑賞した映画の感想記事の整理がなかなか進まない。
たかがブログ程度でも、文章をまとめるのは時間がかかる。


第79回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞作品。
フランスの実話を基にした法廷ドラマ映画。
裁判の模様は、実際の裁判記録をそのまま取り入れている。


パリ在住のアフリカ系女性作家ラマ。
フランス北部サントメールで行われる裁判の取材に泊まり込みで出かける。
セネガル出身の若い女性ロランスが幼い娘リリを殺害した罪に問われている。
生後15ヶ月の娘を海岸に置き去りにして溺死させてしまった。
ロランスは法廷で、何故娘を殺害したか、裁判長からその理由を問われ、
自分自身、この裁判を通してそれを知りたいと語った。

ロランスはセネガルの裕福な家庭に育ち、両親から厳しい教育を受けて来た。
フランスの大学に進んだが、両親の意に反して鉄月を専攻した為、
仕送りを止められて生活苦に陥り、やむなく休学。
援助してくれた歳上の彫刻家デュモンテと同棲し、妊娠、出産。
しかし、デュモンテには妻子がいて、次第にロランスとは疎遠になった。
様々な問題を抱えたロランスは精神的に弱り、呪術等に影響され始めた。

ラマはセネガル独自の家族関係や妊娠等、ロランスに自分を投影し、苦悩する。

弁護士は、孤独がロランスを蝕んでいたと主張する。


判決は映画の中では知らされていない。
ネットでいくらか検索してみたけれど、わからない。


やはりヴェネツィア国際映画祭作品。難解。
フランスにおけるアフリカ出身の女性の境遇についての見識も必要だし、
アフリカにおける女性の境遇についての見識も必要。
フランスの白人知識層が、異なる文化圏のアフリカ出身の女性を裁く難しさ。
母である事、娘である事の複雑な位相。

経済的に追い詰められたロランスが足元を危うくするのはわかるとしても、
成功者であるラマが悩みを引きずっているのが重々しい。

裁判を傍聴するラマと目が合ったロランスが一瞬微笑む。
同胞として理解してもらえると感じたのだと思ったが、
ネットで他の方の感想を拝読すると、
もしかしたら被告席にいるのはあなた(ラマ)だったかもしれないのよ、
という、ロランスの見方かもしれないとあって、ちょっと怖くなった。
 


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