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マンガ家Mの日常
実話を基にした英国のドラマ映画。
「ノッティングヒルの恋人」で知られるロジャー・ミッシェル監督の遺作。


1961年、ニューカッスルのタクシー運転手ケンプトンは、
貧しい高齢者の為の公共放送BBCの無料化を求める運動を展開し、
不払い行動で逮捕、収監された。
長女を自転車の事故で亡くした悲しみを引きずる妻ドロシーは、
夫ケンプトンの行動に賛同出来ない。
その頃、ロンドンのナショナル・ギャラリーが14万ポンドという大金で
ゴヤの名画「ウェリントン公爵」を購入したというニュースを見て、
更なる義憤にかられる。

同居する次男ジャッキーが報奨金目当てに「公爵」を盗み出す。
ケンプトンは「公爵」返還の見返りとして、
14万ポンドを慈善事業に寄付する要求書を新聞社に送付する。
長男ケニーが恋人パメラを連れて来ると、
パメラは「公爵」に気付いて分け前を要求。
ドロシーも気付くところとなり、ケンプトンは「公爵」返却を決意。
ナショナル・ギャラリーに出向いて、逮捕されると、
ジャッキーの行為を伏せて、自分が窃盗の罪を被る。

裁判ではケンプトンの軽妙な答弁が話題になり、
陪審員達はBBC視聴無料化を求める話にも注目し、
近場のホテルで取り外したまま置き去りとなった額縁の窃盗のみ有罪とし、
他の罪状は全て無罪とされた。
夫の言動に心を寄せるようになったドロシーは長女の悲劇を受け止め、
墓参りして、夫と仲良く暮らす。

4年後、ジャッキーは自責の念に耐えきれず自らの犯行を検察官に告白するが、
話題性を考慮した検察官はジャッキーの起訴を見送った。

2000年、ようやく高齢者のTV視聴が無料化された。


ほのぼのとした小品。
さりながら、ケンプトン役はジム・ブロードベンド、
ドロシー役はヘレン・ミレンという名優2人出演の贅沢さ。
ジム・ブロードベンドのおっとりした風情も素晴らしいが、
女王役が続いたヘレン・ミレンが家政婦として働く様はまさしく別人。
2人のキャラクター造形力の高さに圧倒される。

それにしても、あんなに簡単に盗めちゃうなんて、
当時のナショナル・ギャラリーの夜間警備の緩さは酷いね。
「公爵」の歴史的価値はそれなりだとしても、
あまり出来の良い絵とも思えないので、
これに大金使われたら、ちょっと怒るかな。

夫妻がTVで映画「007」を観ていると、画面に「公爵」の絵が映る。
どういう設定なのか、調べたら面白そう?



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