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マンガ家Mの日常
2019年アカデミー賞作品賞、助演男優賞、脚本賞受賞。
実話に基づく作品。


1962年のNY。
クラブの用心棒トニーは、勤めていたクラブが改装中で無職になった間、
ピアニストのコンサートツアーの運転手の仕事を引き受ける。
ドン・シャーリーは天才的なピアニストとして活躍していたが、
黒人の為、様々な差別に苦悩していた。
NYでは丁寧に扱われるが、ツアーを予定している南部では、
ホテルやレストランでは黒人専用の場所にしか入れない。
暴力の被害も懸念された為、
粗野だが知恵も回るトニーが運転手としての同行に選ばれた。
レコード会社の担当者は、旅先で黒人が利用できる施設の案内を記した
「グリーンブック」をトニーに渡す。
トニーは黒人に対して差別意識があったが、仕事に徹する。
知的で洗練されたドンは、トニーの粗野な態度にイラつくが、
トニーの頭の良さを見抜いて、少しずつマナーを指導していく。

南部各地でドンのトリオのコンサートは成功を収めながらも、
黒人故に、警官に因縁をつけられたり、
本来学んで来たクラシックではなく、ポップな曲の演奏を求められたり、
コンサート会場のレストランでさえ、入室を拒否されたりという差別を受ける。
ドンは、危険性を承知の上で、
黒人の人権を示す為に南部でのツアーを強行したのだった。
トニーは、仕事としての義務感だけでなく、ドンに共感し、サポートする。

8週間のツアーを終えて、帰路につく。
トニーはドンを自宅のクリスマスパーティに招待する。
トニーの妻ドロレスは、トニーの黒人差別意識が消えている姿を見て安堵する。


アメリカ映画らしい、正義と友情と家族愛を描いた作品。
素直な気持ちで鑑賞出来て、後味も良い。
黒人差別に立ち向かう白人ヒーローという批判的な見方もあるが、
そこまであからさまではなかったかな。
トニーとドンのキャラクターがステレオタイプな位置付けで、
新鮮味にはやや乏しい気もするけれど、
こうした作品は、差別の歴史が忘れ去られないように、
作り続けられる事に意義がある。

ただ、自宅では黒人作業員が使用したガラスコップをつまんで捨てる程、
差別意識の強かったトニーが、仕事とはいえ、随分優等生的で、
最初からあっさりとドンを受け入れたのに、ちょっと不自然さを覚えた。
アカデミー賞作品賞としては、もう一味欲しかったような気もする。

役作りの為に体重を増やしたヴィゴ・モーテンセンは、
顔立ちも変わって、一瞬分からなかった。

ドロレス役のリンダ・カーデリーニは、出番が少ないながら良い印象を残した。
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