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マンガ家Mの日常
昨晩、仕事してて、なんとなくすぐに寝付けなくて、
ややボンヤリしながら見る。

アカデミー賞にもノミネートされた話題作。
物語の設定が架空の国なんで、冒頭の説明がちょっとシンドかったかな。
作家の設定を省いて進める事って出来なかったんだろうか。
この辺の2重3重の設定って、監督自身は好きなのかもしれないけど、
見る側からすると面倒臭い。

冒頭から画面に対して正面向きの構図で、舞台というより絵本を思わせる世界。
カラフルで夢見心地な映像。
ただし、時代設定はナチスが台頭する第二次世界大戦前夜の欧州を彷彿とさせる。

有名な一流ホテルのコンシェルジェのグスタヴは
常連客の老婦人達のお相手にも忙しい。
ところが、その中のひとりが突然亡くなり、殺害の容疑をかけられる。
それはグスタヴに与えられた遺産を良しとしない息子の仕業だった。
殺人犯として投獄され、脱獄し、警察と殺し屋とに追われる。
目をかけていたベルボーイの手助けもあって、無事逃げ切り、容疑も晴れて
遺産を受け取り、めでたしめでたし。
そしてグスタヴの巨額の遺産はベルボーイに受け継がれる。

話そのものには大して意味は無くて、童話のような作り物の風景に浸りながら、
無声映画時代のドタバタ追跡劇を楽しむ感じ。
人と人との繋がりが素朴。
戦時下の重苦しさと、欧州文化の軽やかさのミックスフレーバー。

それにつけても、無意味に俳優陣が豪華。
何で出て来たのか分からないオーウェン・ウィルソンは、監督と仲良しらしい。
なるほどね。俳優に好かれる監督なのね。
他にも、キャラがかぶってるだろー、と思うくらい有名どころがゾロゾロゾロゾロ。

なんとなく見ていて、なんとなく楽しい映画。
ウェスアンダーソン監督の作品をもっと見慣れていれば、
奥深いところも理解出来るのかもしれないけど、
とりあえず、楽しんだ。


追記/映画の中で出てきたエゴン・シーレっぽい絵は、
   幾ら何でもエロ過ぎるなぁー、と思ってたら、
   やっぱり映画の為に画風を似せて描いたものだそうです。
   エゴン・シーレという画家もいわく付きの人なので、
   そこかしこに監督のメッセージがあるのね。
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