少し疲れていたので横になったものの、深夜、眠れず、
最終話は体調万全で臨むつもりでいたが、やはりすぐ見る事にした。

解決の糸口が見えそうで見えて来なかったが、
絡んだ糸がラストで一気にほどけた。
ルンドら民間の警察官は、人ひとりひとりの命の為に事件を追っていたが、
政府の思惑はそうではなかった。
テロ撲滅作戦を目的として構成された非公式の特殊部隊の存在を
国民から隠蔽する為ならば、数名の民間人や兵士の命は犠牲になっても良い、
そうするのが国益であると、内閣府全員で意思決定していた。

デンマーク政府は腐ってる！！！
...はい、ドラマですけど、怒りを押さえられん。

問題の特殊部隊員だったストランゲは確かにルンドを愛していたのに、
警察犬ルンドの嗅覚は遂に事件の真相を嗅ぎ分け、
ストランゲを告発するところまで辿り着いた。
度々ルンドの命を救いながらも、真相を暴かれ、ストランゲはルンドに発砲。
ルンドはストランゲを撃ち殺すしか無かった。

泣ける。
正義と真実を信条に持つと、幸せは得られないのか。
心の内で事件の真相の探究が膨らみ出すと、
家族も、組織も、自らの幸せさえも残る余地が無くなる、
それがサラ・ルンド。

くぅ〜っ、しびれる、カッコイイ！！！

大人になれば、必ずしも仕事一途ばかりが良いとは言えず、
家庭や周囲、自分自身の時間等、生活のバランスを取る事が
重要だとわかって来る。
ルンドもその理屈は理解している。けど、出来ない。
事件捜査に取り付かれている。そう生まれついてしまった。

警察組織の中で孤立無援になっても、現状に疑念があれば
頭と身体が捜査に向かって勝手に動き出してしまう。
自らの犠牲について計算せず、媚びず、へつらわず、自己弁護もしない。
そのストイックさがたまらない魅力なのだが、見ていて切なくなる。

女性を主人公に据えたミステリーの場合、
キャラクターに生活感を出し、読者や視聴者の共感を得る為に
恋愛を過剰に取り入れる事が良しとされている傾向にあるが、
その手法は既に古いと感じさせてくれる。

北欧ミステリーのヒロインとしては
「ミレニアム」のリスベットと並び賞される存在感だと思う。
しかし、リスベットは特殊な生い立ちと特殊な能力を持ち、
同時に、自らの利益や楽しみにも貪欲。
ルンドのキャラクターはその対極にある。
キャラクター作りとはどういう事か考えさせられる。

「キリング」はこの先があるのか、あるとしたら放送はいつなのか、
考え出すと今夜はもう眠れないかもしれない。

追記／今ちょっと検索したら、２０１２年からシーズン３製作中とあった。
　　　だったらもうそろそろ出来てる頃だろう。
　　　早く見せろー！！！