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マンガ家Mの日常
ディオールのオートクチュールのお針子の世界を描いたドラマ映画。


ディオールのオートクチュール部門のチーフ、エステルは、
優れたキャリアの持ち主で、部下にも慕われているが、
現在作業中のコレクションをもって引退となる。

アトリエからの帰宅途中、若い女性(スアド)にハンドバッグを盗られる。
女性の相棒(ジャド)が泥棒を追いかけるふりをして、
エステルにギター(地下鉄で置き引きした物)を預けて、そのまま逃げ去る。
しかし、盗みに戸惑いを感じたジャドは、翌日バッグをエステルに返しに来る。
エステルは、ジャドが盗みに仲間だと気づくが、
ジャドの繊細な指先を見て、お針子向きだと直感し、アトリエに誘う。

移民2世のジャドは、狭い団地で、鬱病の母親をケアして暮らしていた。
恵まれない環境で育ち、やや荒れた育ち方をしており、
エステルに反発もするが、次第にお針子の仕事に関心を深める。

ハイブランドで定職を得たジャドは、スアドとズレが出来たり、
あれこれ構って来るエステルに「娘の代わりじゃない。」と毒づいたりするが、
エステルの支えのお陰で、仕事を続ける。
アトリエでは良い彼氏も出来て、自分の人生を歩む実感を得る。
糖尿病の発作で倒れたエステルは大事な右腕を骨折してしまうが、
次期チーフのカトリーヌやジャド達の努力の甲斐あって、作品は完成し、
コレクションは成功を収める。


お針子の世界の中で働く女性達の連帯を描いた作品。
派手さは無くて、目立った問題も無く、話は概ね良い方向に進行する。
物足りなさを感じる向きもあるとは思うが、
全体として、穏やかな品格が通底する佳作に仕上がって、
鑑賞後の感覚は良い。

エステル役は、トリュフォーやゴダールの作品の常連ナタリー・バイ。
フランス映画の歴史のような女性。
こういうタイプの女優は、これから減っていくばかりなのかなぁ。

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