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マンガ家Mの日常
パラレルワールド映画。


ミュージシャンとしての成功を夢見る青年ジャック。
売れないジャックを支えてくれるのは幼馴染のエリーのみ。
ある日の夜、世界中で12秒間一斉に停電が起こり、
同時に交通事故で意識不明になったジャックは、眼が覚めると、
周囲の友人全員がビートルズを知らないと言う事態に気づく。
ネットで検索すると、ビートルズや幾つかの有名バンドの名前が出て来ない。

ジャックはビートルズの楽曲を自作のように偽って披露するが、
それでもなかなか成果が現れない。
英国にライブツアーで来ていたエド・シーランが曲を聴いて、感動し、
ジャックを自分のコンサートの前座に抜擢すると、
たちまちジャックの名声が世界中に知れ渡る。
エドは「君ははモーツァルトで、僕はサリエリだ。」と落ち込む。

LAの有名マネージメントにスカウトされ、アルバム制作に取り掛かる。
しかし、ビートルズの楽曲も、歌詞がうろ覚えなものが多く、
思い起こすのに四苦八苦。

ビートルズを知っている2人がジャックの前に現れ、
ジャックは盗作をバラされるかと怯えるが、
2人はジャックがビートルズの楽曲をこの世界に伝え残してくれた事に感謝し、
ある男性に会うよう勧める。
老船員は、ビートルズにならずに生きながらえたジョン・レノンだった。
有名スターにはならなかったが、愛妻と幸せに暮らしている。

ジャックは自分の人生を見つめ直し、楽曲が盗作だと発表。
楽曲は全て無料ダウンロード出来るようにした。
地元の町に戻り、エリーに告白し、結婚して、ささやかな幸せを受け止める。


ダニー・ボイル監督の作品があまり好きではなくて、
どうしても斜めに見てしまうのだけど、やはり今作もどこか引っかかってしまう。

のうのうとビートルズの楽曲を自作として披露するジャックに、
罪の意識が感じられず、痛い思いをする場面も無い。
で、ただの詐欺師でしかないジャックが、何故インド系の青年なんだろう?
で、ちょっとおっちょこちょいで空気を読めないスタッフの青年はアフリカ系。

自分だけがビートルズを知っていて、楽曲はまさしくお宝の山。
でも、歌詞を正確に覚えておらず、焦る姿や、
タイトルの意味を尋ねられても知らなかったり、
ロシアをUSSR(ソ連)と表現するギャップ等々、
少し笑えるシーンもいくつかあったものの、
総じてビートルズをバカにしているようで、ファンじゃなくても感じ悪く思えた。

他愛ないファンタジー・ラブコメ映画なのかもしれないけれど、
それにしては、歴史的バンドであるビートルズをバカにするなんて、やり過ぎ。
何だろう? 世界に影響を及ぼしたミュージシャンになるより、
一人の愛する女性とひっそり穏やかに暮らすほうが幸せだっていう事?
ジョン・レノンはともかく、
パクリの詐欺師でしかないジャックに、それを感じる資格は無いでしょう。
何だか、テーマがグチャグチャ。

今作の見所は、
エド・シーランが本人役で出演し、結構長い場面登場した事。
でも、最初はコールドプレイのクリス・マーティンにオファーが行ったんだって。

老船員ジョン・レノン役はロバート・カーライル。
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