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マンガ家Mの日常
以前から見たいと思っていながら、機会を逃していた。
少し前にWOWOWで放送してくれたので、録画して、やっと見ました。
ピエール・ルメートルの「悲しみのイレーヌ」の題材にも使われた作品。

美男クリスチャン・ベールがヤング・エグゼクティブのシリアルキラーを演じる。
これと言ったドラマ性は無いかな。


ウォール街で働く若きエリートのパトリックは、
同種の友人達とつるみながらも、見栄を張り、服のブランドに始まって、
いかにスムーズに流行のレストランの予約を取れるか、
誰の名刺の作りがセンス良いか、等々、マウンティングに余念が無い。

人気者のパトリックには裏の顔があった。
イライラが募ると、衝動的に殺人を犯す。
路地裏に座り込んでいるホームレスを刺し殺したり、
売春婦を暴力的な性行為の後でバラバラに切り刻んだりする。

パトリックの上を行くポールという男性に嫉妬し、殺害。
探偵キンボールがパトリックに狙いを付けて調査しに、オフィスへ来る。
次第に追い詰められながらも、
周りの友人達と違う人種のキンボールに親愛の情が湧く。

次第に精神が破綻して行くパトリックは、
勢いのままにビルの警備員達を射殺して回る。

しかし、つい最近ロンドンでポールと会ったと言う人が現れる。
パトリックの殺人は妄想の中の出来事だったのか。


冒頭、クリスチャン・ベール演じるパトリックが、
出勤前に入念に身体とお肌のケアをするシーンがある。
何種類もの化粧品を使用したりしていて、製品に疎い身には理解不能ながら、
もう、とにかく美しくて、
ストーリーはどうでも良いから、このままずっとお手入れを続けて欲しい。

映画の公開は2000年なんだけど、
描かれている時代は80年代後半のバブル期みたい。
その時代をリアルに知っている世代と、知らない若い世代とでは、
映画を見た印象が違うかも。
名刺の紙質や字体で競い合っているシーンには目を見張る。

パトリックの殺人が妄想なのかどうかは、
映画の中では断定されてはいないので、ちょっと迷う。
中2病みたいな落書きノートも、いかにも妄想が先走りしてる感じ。
顔のパックを剥がすシーンでは、仮面性を暗示しているとも取れる。

もっと詳しく見ている方のブログを読むと、
殺人はやはり行われていて、問題は周囲の無関心であったり、
没個性のヤンエグは、近しい人達でさえ混同して見分けが付かず、
それが事件の捜査を曖昧にしてしまっている、
アメリカ自体がサイコな状況に陥っている、という事。

いや、そんなのどうでも良いんだよ。
テーマなんか頭に入らない。
とにかく、クリスチャン・ベールが美しい!!!

この時期の顔立ちはマシュー・マコノヒーに似てるなぁ。

パトリックが嫉妬したポールを演じたのはジャレッド・レト。

ヤンエグのシリアルキラーというテーマでは、
ニコラス・ケイジの「バンパイア・キッス」を思い出した。
ああいうスーツの着こなしは、日本人の体型では敵わない。

ポールが住んでいるアパートメントは、セントラルパークのすぐ横で、
グッゲンハイム美術館のお隣という設定。
NYの風景を思い出す。
チェルシー地区でギャラリーを経営している友人が、
今作のロケが行われたという、煉瓦造りの古いビルを教えてくれた。


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