余りにも名高い、
アメリカン・フットボールのスーパースター、O・J・シンプソンが
元妻と知人男性の殺害容疑で逮捕され、裁判にかけられた事件を
ミニシリーズ化したTVドラマ。


１９９４年６月、元妻と男性が無惨な遺体で発見され、
容疑をかけられたOJは車で逃走。
その一部始終がTVで生中継される。
逮捕されたOJは親友のロバート・カーダシアンを頼り、
著名な弁護士シャピロを雇い、弁護団のドリームチームを結成。
折しもLAでは警官が黒人を強引に逮捕して殺害するなどした事件があり、
黒人への人種差別に端を発する暴動が起きて、間も無かった。

親友だったロバートは、裁判が進行する過程でOJが犯人だと確信するようになり、
当初主任弁護士を務めていたシャピロもOJの犯行と見ていた。
しかし、後に主任弁護士を務めたコクランは、自身が黒人で差別された経験から、
人種問題に大きく舵取りして裁判を優位に進めて行った。

検察は現場で発見された証拠品からOJの犯行を立証しようとするが、
現場に駆けつけた警官がナチに傾倒した差別主義者で、
過去に証拠品の改竄を行なった事実があった事等から、
本件でも物的証拠能力が疑われ、
1年間に及んだ長期の裁判は、陪審員によって無罪が宣告された。


裁判の模様がTV中継されるっていうのが、何とも凄いね。
情報公開という点では正しいんだろうけど、それよりも、
裁判でさえ、エンターテインメントとしてお金に変えられてしまう。
関係者の大半は裁判後には本を書いてボロ儲け。

OJを演じたキューバ・グッディングJr.は、
アカデミー助演男優賞受賞歴のある名優だけど、
容貌がOJに似てなくて、興醒めする。
もうちょっと似てる俳優がいたんじゃないのかなぁ。
いっそのこと、ザ・ロックとか。

前半、OJやシャピロの怒鳴り声がうるさく感じられる場面が多かった。
事の顛末を知っていながらも、関心を持って見られる作品だった。
これがアメリカの姿なのかな。

ロバート・カーダシアンは、現在お騒がせセレブリティとして有名な
カーダシアン姉妹の父親なんだって。