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マンガ家Mの日常
頑張ってもう1本見る。
サスペンスっぽいのかなと思ったら、そうではなくて、
かなり甘口の大人の恋愛映画に仕上がってた。


夏休みが明けたら中学生になるヘンリーは、
離婚してやや情緒不安定な母親アデルと二人暮らし。
アデルはヘンリーを産んだ後、4度の流産で精神的に崩れてしまい、
対応に疲れた夫は秘書と浮気して、離婚に至った。

親子二人でスーパーに買い物に行った時、脱獄囚フランクに目をつけられ、
自宅で夜までの数時間休ませてもらうよう求められる。
フランクは盲腸の手術で入院し、手術直後に病院から逃げ出した。
傷跡が開いて血が滲んでいる。具合も良くなさそう。

フランクはいかつい見かけの割に紳士的で、
休ませてもらう代わりに料理をしたり、家や車の修理まで手際よくこなした。
次第に打ち解け、アデルはフランクに惹かれていく。
フランクは若い頃に結婚して、赤ん坊が生まれたが、
出征中に婚約していた妻が浮気して出来た子供だったと知らされ、
思わず妻を階段で突き飛ばし、はずみで死なせてしまったのだった。
赤ん坊はその間にバスタブで溺死してしまった。

当日の夜には列車に乗って去るつもりが、5日間過ごしてしまった。
ヘンリーも父性的な優しさのあるフランクに心を許すようになる。
アデルとフランクはすっかり恋仲になり、3人で逃亡し、
カナダに移住する計画を立てる。

しかし、出発直前で警官に感づかれ、フランクは逮捕され、
脱獄と誘拐の罪で刑期が大幅に伸びる。
フランクは逮捕される間際にも、アデルとヘンリーが犯人隠避に問われないよう、
敢えて椅子に縛り付けるなどして気遣いをするのだった。

収監された後直ちに移送され、面会も出来ず、手紙も届かず、
長年連絡が取れなくなってしまった。

大人になったヘンリーはフランクに教わったパイ作りで成功して店を持つ。
フランクはヘンリーが雑誌で紹介されている記事を見つけて手紙を寄越し、
保釈されてアデルと再会し、晴れて結ばれるのだった。


大人の純愛映画として、美しく仕上がっていたと思う。
でも、美し過ぎて破綻が無くて、リアリティに欠けるきらいがあるような。
そこはもう、見る人の好みかな。
最近の日本映画にありがちなお手軽なお涙頂戴に走って無いのは良かった。

フランクって、殺人罪で18年の刑期で、そろそろ終盤だった筈なのに、
何で危険を冒して脱獄しちゃったのかなぁ? そこんとこは問題。
加えて、元から良い人だったんだろうけど、
刑務所に長くいたにも関わらず、スレてなくて、
家庭料理からパイ作りまで、レシピも見ずにサクサク出来ちゃうし、
石垣の修繕、家の補修、車の整備まで、パーフェクトにこなしちゃう。
あんなダンナだったら女性は皆欲しがる。
そういう出来過ぎ感がね、ちょっと引っ掛かるんだよね。

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