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マンガ家Mの日常
古いBRレコーダーでは、2番組録画すると片方がオリジナルサイズになり、
多くの録画容量を使ってしまう為、早めに見て、早めに消去する事に。

プログラムガイドの紹介では、軽めのコメディのような印象で、
作品のタッチはそれなりにライトな雰囲気だったけど、
内容は結構重くて、堪える。


オールド・ドリオ(女性)は両親と共にケチな詐欺を繰り返して、
日々の僅かな生活費を稼いでいた。
(名前の由来は、高額宝くじに当選したホームレスによる。)

旅行クーポンに当選し、飛行機での荷物紛失で保険金を騙し取る詐欺を思いつく。
両親は機内で隣席になった女性メラニーと意気投合し、詐欺仲間に誘う。
メラニーは眼鏡店での退屈な仕事に飽き飽きしていて、冒険心から誘いに乗る。
両親の愛情を受けられずに育ったドリオは、
両親とメラニーが仲良くしているのを見て反発する。

メラニーは直ぐにケチな詐欺にうんざりし始め、ドリオに共感する。
ドリオは一時的にメラニーのアパートに泊めてもらう。
間もなく両親がプレゼントを持って現れるが、それはドリオの金を奪い、
メラニーの部屋から家財を盗み出す前触れでしかなかった。
ドリオは両親の精神的支配から脱却する。


両親が何故詐欺の道に走ったのか、
何故ひとり娘(望んだ妊娠ではなかったらしい)を愛せないのか、
そのあたりの具体的なエピソードは描かれていないので、
そういう性質の人達がいるのだと考えるしかない。
何もかもが痛々しい。
今作をコメディだとして笑える人がいるならば、
素晴らしく恵まれた子供時代を送って来たのだろう。

親らしい事を何もして貰えなかったと嘆くドリオに、
両親は1歳から18歳までの誕生日プレゼントをまとめて渡すのだけど、
それにも裏があって、
26歳のドリオに対して、何故18歳までの分だったかと不審に思っていると、
ドリオが稼いだ保険金詐欺の$1575の割り当て分である3分の1、
$525相当の品物だった。

ドリオは髪は伸びっぱなしで、まともな服も持っておらず、
集団行動にも慣れていない様子で、学校に通えていたかどうかも怪しい。
(メラニーは最初彼らがアーミッシュだと思った。)
そうなると、両親の価値観だけに縛られた人生を送るしかない。
メラニーは依存症だと言い切る。

ただ、この両親は極端だとしても、どの子供であっても、
ある時期までは両親の元で生きるしかなく、価値観を刷り込まれる。
外界の人とに出会いによって、別の価値観を知らされる。
両親からの卒業が、本当の人生を切り拓く第一歩となる。

父親役は渋いベテラン俳優のリチャード・ジェンキンス。
母親役はデブラ、ウィンガー。
「愛と青春の旅立ち」から、随分遠くまで旅して来たなぁ。
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