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マンガ家Mの日常
火葬。
最期のお別れ。

通夜、葬儀、火葬。

コロナの影響で、火葬場には親族10人までしか入れず、
母方の叔父や従兄弟は、わざわざ遠方から来てくれたのに、火葬に立ち会えず。

火葬の前に、告別場でもう一度棺の蓋を開けて、顔を拝む。

火葬の直前に、蓋の小さな扉を開いて、更にもう一度顔を拝む。

何度もお別れを繰り返す。

繰り返すと、辛い気持ちもこみ上げて来るが、それが儀式というものなのだろう。

焼き場に棺を収める最後の瞬間に、弟が棺をポンポンと叩いた。
出発する父の肩を叩くように。
後継の長男として、一番父に近かった弟ならではの思いもあるだろう。

担当者から、焼き場の扉を閉めるボタンと、点火のボタンとを、誰が押すか尋ねられた。
気が進まなければ、担当者にお願いする事も出来る。
弟は躊躇いがあってか、担当者に頼んだが、私が手を挙げて、
担当者の指示に従ってボタンを押した。
最期に携わりたい気持ちがあった。

小一時間、控室で待った後、呼び出しを受けて、収骨。
乾いた白いお骨のかけらが、所々ピンク色をしている。
程よく骨を残す焼き方があるのだろう。
踵から順にお骨を骨壷に納める。
大腿骨のような大きなお骨は、担当者手袋をした手で適当な大きさにパキパキと折る。
冷静さに感心する。


目元が時々潤む。
泣きたい気持ちもあるけれど、
何年もの間、ずっと感情に蓋をしてきたので、今すぐその封印は解けない。


義妹の運転する車で、最寄りの駅まで送ってもらい、帰路に着く。
夜10時に東京着。
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【2020/10/26 (月) 00:50】 | 日常
トラックバック() | コメント(1)

無題
NONAME
たまい先生

やはり、あなたはすごい人ですね。
私の父もそう長くな無いですが、絶縁している兄が
ボタンを躊躇ったら、躊躇なく私がおします。
悲しい事ですが、、、
躯とはいえ、他人に焼かせたくありません。


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コメント
この記事へのコメント
無題
たまい先生

やはり、あなたはすごい人ですね。
私の父もそう長くな無いですが、絶縁している兄が
ボタンを躊躇ったら、躊躇なく私がおします。
悲しい事ですが、、、
躯とはいえ、他人に焼かせたくありません。
2020/10/26(月) 09:39 |   | NONAME #289fa613d7[編集]
[管理者用 返信]
Re:無題
NONAME様
色々ご事情がおありなのですね。
ボタンは、最期のお見送りの気持ちで、是非心を込めて押して差し上げてください。
(いや、でも、まだお父様が長生きされますように。)
家族の問題は本当に難しいです。他人はおろか、家族の他の者とも、心の中は別ものです。
多くの揉め事があって、家族を「卒業」した、という知人もいました。
私の場合は、ただ感情に蓋をするしか出来ませんでした。
また少しずつブログで書いていきたいと思います。
2020/10/29(木) 14:18 | たまいまきこ

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