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マンガ家Mの日常
福岡の不動産会社の担当者からの書面によると、
謄本でこちらの住所を調べたという。


前述の通り、母が他界してから存在がわかった土地なので、
何故母がその土地を購入していたのか、理由も何もわからない。
思うに...、
当時、父が病院の建設の為に多額の借金をしていて、
自宅の土地も抵当に入っていたそうで、
母は、万が一を考えて、移り住める小さな土地を、
ポケットマネーも範囲内で購入しておいたんではなかろうか。

昨年、司法書士である友人に頼んで、土地を調べてもらったところ、
ちょっと原野商法的な匂いもある、あまりお勧めではない土地だったようで、
もしかしたら、知り合いとかに頼み込まれて、渋々購入したのかもしれない。

母が他界した時の財産分与で、父の判断でその土地が私に割り当てられた。
その分、現金は減額された。
父が私に割り当てた意図もよくわからない。
思うに...、
東京暮らしから戻る事を期待して、
私を福岡に繋ぎとめておく何かを付けたんではなかろうか。
それももう、今となってはわからない。

これまた前述の通り、
当時、地元の国立大学の移転に伴って、バイパス新設の計画が噂されていて、
近い将来の値上がりが見込まれていた。
でも、バイパスのルートにははまらず、土地は土地のまま。
毎年の固定資産税と、現地のシルバー会による管理の費用とを、
言われるがままに延々払い続ける羽目になった。
負の遺産ってヤツ。
まぁ、田舎の土地だから、固定資産税もたかが知れてるのだけど。

(続く。)
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