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マンガ家Mの日常
弟夫婦と会って、身の回りの話を聞いて来た。
実家を取り壊した時に、いくつか保管されていた私の荷物を、
コロナが終息したら、引き取らなければと思っていたのだけど、
どうやら無駄らしい。
保管場所になっていた山小屋が老朽化して、放置されていたようで、
湿気や鼠等々で、中の荷物は損傷が進んでいるらしい。
特に、本の類はもう無理なようで…。

悲しい。

仕方ないとは理解しているけれど、
やっぱり悲しい。

一般の方々には通じないかもしれないけど、
子供の頃から大事にしていたコミックスが、もう戻らない。

仕事柄、コミックスには思い入れがある。
それだけでなく、子供時代の楽しみがそこに集約されていた。
その大半が崩れて無くなる寂しさ。

仕事で不在の両親。
両親の不和。
底意地の悪いいじめをして来る姉。
貧乏ではなかったけれど、厳しく倹約させられて、
好きな物も買ってもらえず、
家族で出掛ける事も極僅か。

子供時代の楽しい思い出は限られている。

母が亡くなった後、東京暮らしで今のマンションに定着し、
実家に置いてあった荷物を少しずつ片付けて、郵送し始めた。
しかし、同時期に姉が離婚して子連れで出戻り、ヒステリー三昧。
姉にとって、子供の頃からずっと気に食わなかったであろう妹としては、
実家に度々帰って顔を出すのも憚られ、
姉の生活が落ち着いたらまた帰るようにしようと思っていたが、収まるどころか、
父に焚き付けられて医学部受験に乗り出し、
それから、受験と浪人と、合格後の勉強とで、ヒステリーは更に酷くなり、
甥っ子は怯え、
また、姉は自分の事に集中して、甥っ子の生活を危うくして、
甥っ子は中学生の頃には不登校に陥ってしまっていた。
父と電話で話していた時にその事に触れると、
姉を庇いたい父は次第に怒り出し、
遂には私に絶縁の言葉を突きつけて電話を切った。
それから、もう実家には帰らなくなった。
荷物を片付けにも行けないまま。

何年か経って、姉から電話があって、
3日後に実家を取り壊すと言われた。
ちょうど締め切りを抱えてアシスタントさんと仕事をしていた期間で、
身動き取れない。
姉が言うには、父は以前に私に連絡していたと。
そんな話は全くの初耳。
ただ驚いて、弟に電話すると、
とりあえず私の荷物は倉庫に保管してくれるという話にはなったが、
ビニール袋に突っ込んだような様子だったので、不安はあった。

父とも断絶状態になり、
自分なりに覚悟していた通り、次に福岡に帰るのは父の葬式だと思っていた。
実際は、父が病気で倒れた時に、一度見舞いに行ったが。

そうして月日が流れた。



両親が不和でなければ、

姉のいじめが無ければ、

私の人生はもっと違う形になっていただろう。


父も、姉も、

どうして、家族で仲良く過ごす事を大事に考えられなかったのだろう。


今回の土地取り引きが完了したら、

もう福岡には帰らない。


朽ち果てた本のような家族。
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【2021/11/29 (月) 03:33】 | 日常
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無題
NONAME
玉井先生、

ちょっと言葉を失います。
私と同じような体験をしていたとは!?
私は兄と絶縁して3年位しますが、子供はそのような
事情は知らず兄の子に会いたがり・・・
大人の事情でこどもに嫌な思いはさせたくないのですあ。
世の中には親族との関係で悩んでいる人がいると知っただけでも、このブログを読んで良かったです。


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コメント
この記事へのコメント
無題
玉井先生、

ちょっと言葉を失います。
私と同じような体験をしていたとは!?
私は兄と絶縁して3年位しますが、子供はそのような
事情は知らず兄の子に会いたがり・・・
大人の事情でこどもに嫌な思いはさせたくないのですあ。
世の中には親族との関係で悩んでいる人がいると知っただけでも、このブログを読んで良かったです。
2021/11/30(火) 09:22 |   | NONAME #289fa613d7[編集]
[管理者用 返信]
Re:コメントありがとうございます
家族の長い歴史は、外からでは見え難いものですね。問題があっても、特に子供のうちは自分の家族しか知らなくて、比較できないから判断のしようがありませんよね。
私の場合は、幼い頃から姉にいじめを受けていたのが1番の問題でした。まだ色々書ききれていない事もあります。
2021/12/04(土) 11:51 | たまいまきこ

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