忍者ブログ
マンガ家Mの日常
子役は大成しない、と昔から言われる。
ちゃんとトップクラスの俳優に成長した例も多くあるので、
必ずしも当たってはいないけど、確かに道程は容易くは無いかもしれない。

人の顔の基本的バランスというのは、生まれてからずっと変わらない。
子役で可愛いのは丸っこい童顔のバランスなのだけど、
大人の美男美女はシャープな顔立ちが求められるので、
子役で可愛い子が成長しても、大人の美男美女とはなり難い。

演技についても、子役時代にあまりにも受けてしまうと、
それが良いという感覚が身体の何処かに染み付いてしまって、
スムーズに大人の演技に移行出来ないケースもあるように思う。

肝心なのは、親や事務所の大人達がその子をどう教育するか、
それに尽きる。

元子役Aさん、10代半ばでTVから姿を消して以降は
正直なところ、もう芸能の仕事を辞めていたと思っていた。
今でこそネットで色々調べられるが、それ以前となると、
一般の視聴者からすれば、TVに出ないタレントの事は殆ど知り様が無かった。

マンションで顔を見かけてからの年月の中で、
彼女はどういう仕事をしていたのか?

一度「あの人は今」的なバラエティ番組に出ていた。
出ていた、と言っても、4、50人近い人達の中のひとりで、
ちらっと画面に映りはしたが、紹介される事も無く、発言も無かった。
大きな代表作が無いと、番組側としても紹介も出来ない。

その後、ある大物女優主演の舞台の主要キャストの一員に抜擢された。
新聞に大きく広告が出ていて、彼女の顔写真を見た。
主演は誰もが名前を知っているベテランの超有名女優で、
他の出演者も有名俳優ばかりだったので、
そこに彼女の名前が入っているのには違和感を感じたが、
キャスティングされたのであれば、それなりに頑張ってやっていたんだろう。
ただ、その舞台の再演や、同様の顔ぶれでの舞台の時は 外されていたので、
続けるだけの実力は無いと判断されてしまったのだろう。
キャスティングの裏事情なんて知り得ないけど、
最初の抜擢の段階で何かあったのではと勘ぐってしまう。

そして去年、
いつものジムに行くのに地下鉄に乗って、ふと吊り広告を見ると、
そこに彼女の名前と写真が出ていた。
オヤジ雑誌のヌードグラビアだった。少なからず驚いた。
ヌードグラビアの全てを否定する訳ではないが、
やはり大半は男性の下心を満足させる為だけのものだし、
自分がそれなりの年齢になって思うのだが、
万が一自分の娘がヌードグラビアのオファーをされたら
母親としてどう感じ、どう対処しようとするか、
そういう方向から見て行くと、やはり歓迎される仕事だとは言えない。

他人がその人自身の身体をどう扱おうと、関係のない事だ。
でも、同じマンションの住人となると、カタギの仕事が望ましい。
...マンガ家が言えた義理じゃないか?

知る限り、でしか無いのだけど、
その後更に2回、別のオヤジ雑誌にヌードグラビアを載せていた。
有名女優主演の舞台から比べると、仕事の質がかけ離れている。

前回書いた、マンション管理組合からのお知らせにも繋がる事で、
多分Aさんはまとまったお金を必要としていたのだろう。
よくある話。

子役時代、持って生まれた恵まれた容姿で人気を得て、
その後こうして有名舞台に立つまでの大きなチャンスにも恵まれながら、
何故生かしきれなかったのか?

新聞や吊り広告での数枚の顔写真を見るだけでも、Aさんはいつも同じ表情。
カメラマンからそう言う表情を求められたのだとしても、
いくらかなりとバリエーションを見せなければ客からすぐ飽きられる。
それが出来無いのでは演技力が乏しいと判断される。

演技力の乏しさは人間性の乏しさに通じる。
Aさんは 大人としての下地、社会人として生きる姿勢が育っていなかった。

(続く。)
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック