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マンガ家Mの日常

読書。
北欧ミステリーです。
「チャイルド44」は映画にもなっていて、
その同じ作者トム・ロブ・スミスの作品。


ノンシリーズなので入り易かった一方で、ちょっと物足りなさもあったかな。


ロンドンで暮らすダニエルは両親にゲイであると言い出せず、
母の故郷スウェーデンの小さな町で暮らす両親と疎遠になっていた。
しかし、いきなり連絡が来ると、
父は、母の精神状態がおかしくなっている、と言い、
母は、町で殺人事件があって、父も加担している、と言う。
母はダニエルに会って事件について語り始める。
町の権力者達が海外から養子縁組で移住して来た若い娘達を虐待していて、
複数の犠牲者が出ているというものだった。

しかし、果たしてそれは真実なのか、母の妄想なのか?

一通り話し終えた後、母はそのままロンドンで精神病院に入れられる。
ダニエルは母の話の中に真実も含まれていると感じ、
一人でスウェーデンに渡って調べる。

母の話は、母自身が10代の頃に実の父親から受けた性的虐待と、
町で出会った少女の環境が意識の中で絡み合って作られたものだった。
ダニエルは母の精神的不安の引き金となった少女の居場所を探り当て、
母に引き合わせ、事態を明らかにする。


全体の7割がたはずっとこの母親の語りで構成されている。
どこまでが妄想なのか、読者には知りようが無く、不安にさせられる。
「その女 アレックス」や「ゴーン・ガール」同様、
構成がトリックになっているタイプのミステリー。

実父の性的虐待によるトラウマというテーマについての掘り下げは弱く、
解決に向けて、もっとダニエルの怒りが感じられるとスッキリしたかな。

ドラマ化が進められているそうだけど、語りの部分をどういう風に処理するのかな。


北欧諸国は社会主義で福祉が豊かと言われているけど、
地方に行けば実態は様々なのかな。
雪の中に長く閉ざされていると、精神的に不安に陥り易いとも聞く。


他にも色々本を買い込んだのだけど、
残りは次の仕事が終わってからにしなきゃならないのが辛い。


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