忍者ブログ
マンガ家Mの日常
先日、素晴らしく優秀なビジネスウーマンと同席する機会があった。
少し前からの知り合いだけど、時間をとってお話し出来たのは久々。

相変わらず、熱心に仕事に取り組んでおられる。
日曜日もセミナーに出掛けたり、ご自身で講師を雇って勉強したりもされている。

仕事柄、2~3,000万円年収があったような社長さん達が、
仕事を失ってしまうのを目の当たりにする事も多いそうで、気が抜けない。
常に前向きに仕事し続ける。

元々、家事には関心が無い方で、現在独身だけど、
仮に結婚したとしても、家事はお手伝いさんを雇うような形にしたいとか。
今も時々は家事代行サービスを利用されている。
それが出来るのは十分な収入があるからで、仕事を考えれば効率的だと言える。

更には、読書や旅行にも関心が無く、
読書はほぼビジネス書限定で、旅行は面倒臭いから行きたく無い、との事。

全身全霊でビジネスに集中している。

その方の特質に合致している事に集中出来ているのは素晴らしい事。

一見現代的なキャリアウーマン像。
でも、ふと考えると、
ワークライフバランスが重要視されている現代からは後退しているとも言える。
高度経済成長期の男性ビジネスマンと同じ形態。
今、しきりに見直しが求められているのに。

繰り返しになるけど、
その方自身が満足する事が重要なので、
一般論であっても、生き方を押し付けるべきでは無い。

でも、でも、本当に、仕事だけで人生満足なんだろうか?

十分な資産を築いて引退したとして、
相応の年齢になってから読書したり旅行に行ったりしても、
既成観念や既視感が脳にこびり付いていて、
若い時期と同じような感動はもはや得られない。
そうなったら、それは人生の糧では無く、ただの老後の暇つぶし。

彼女は、絵画や他の芸術にも関心が薄く、
その為、知識人が集まる場に行っても、芸術の話に入っていけないのが
密かなコンプレックスだと語っていた。
残念ながら、芸術を鑑賞する力も、一朝一夕では養えない。
長い年月かけて多くの作品に触れる事が必要だし、
それは、若い頃の感動抜きにはなかなか育ちようが無い。

かつてのバブル紳士達が大勢名画を買い漁った図が思い起こされる。
1代で財を成した、所謂成金では、芸術の高みに辿り着けない。

アメリカでフリッツ・コレクションやガードナー美術館といった、
富豪が築いたコレクションに接すると、知識人の時代の深さを感じる。
富豪も数代続かなければ、文化となり得ない。

彼女の活躍ぶりを素晴らしいと思う一方で、
マンガ家の仕事は、雑多なものをかき集めるところから始まるので、
方向性の違いは大きく、考え方が噛み合わない面も多々あるように感じた。
仕事だけに集中出来れば効率が良いのだろうけど、
実生活が伴わなければ、生きたキャラクターを描けないだろう。

まぁね、
それはそれとして、
男女共、家事は少しは自分でやるようにした方が良いかな。
老後のボケ防止には必要だよ。


PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック