ジョニー・デップの世界的な知名度とキャリアによって、
最初からアンバー・ハードの不利は歴然だったように思える。
陪審員裁判の不合理な面が露呈してしまった。
アメリカの裁判制度は今後改められるべきと思うが、どうなるだろう。
Wikiによると、
マスキュリズム(男性差別)は19世紀末の英国で唱えられ始めたが、
1970年代のフェミニズム運動以降、アメリカが主戦場となった。
徴兵制で男性はベトナム戦争に行かされ、
不利益を被っているという考え方に端を発するらしい。
その時代の徴兵制に関する男性側の不満は一考すべきだとしても、
銃後で女性が悲惨な目に遭わされている視点が完全に欠落しているし、
アメリカにおいて徴兵制が撤廃され、かつ、女性も従軍可能となった今、
既にこの理屈は通用しない。
それでもマスキュリストは存在し続け、
ジョニー・デップ裁判では卑劣な威力を行使した。
現在のアメリカのマスキュリストは、
不況で貧しいのは女性のせいだと考える、プアホワイトの状況と関連している。
それは単にアメリカ経済の失墜によるものなのだけど、
ある意味、当たっている。
これまで有色人種に奴隷労働を課し、女性を二流扱いして来た。
そうした差別が少しずつ撤廃されれば、
反比例して、白人男性は既得権益を失い、地位は下がる。
彼らはその状況を受け入れられず、暴力を用いて過去に留まろうとする。
ところが、
こうした状況はアメリカ特有ではなく、
日本でも同様に起こっている。
それがネットでの女性イジメ。
(続く。)
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック