元彼ダニエルが若い頃空手をやっていたのは前に聞かされていたけど、
フィリップも同じ道場の門下生だった事は　少し後になって知らされた。

特に深くは気に留めていなかったけど、6月に来た時には
フランスでの大会の数々のメダルやトロフィーが片隅にあるのに気付いた。
フランスの空手が日本の極真会館とかと比べて
どの位のレベルなのかはわからない。
でも、なんか、ただの趣味のレベルでなかったのは見当がつく。

加えて、当時はまだフランスにも兵役があったんだって。
韓国の兵役については 今や日本でも話題だし、ドイツにも兵役はあるって聞く。
兵役だから　勿論、午前中読書して　午後は調理実習とヴァイオリンの稽古、
とかいう訳である筈も無く、厳しい肉体訓練が日々続く。
単独でのスカイダイビングもあったらしい。
うっ、確かにダニエルが なんかそんな感じの小さいタトゥーを
二の腕にいれてたなぁ。
冬山でのキャンプとかもあって、フィリップもそれだけはイヤだったそうだった。

30歳の頃、空手での故障が続いて、健康の為にはテニスの方が良いと気付き、
そこで方向転換。
時には数日間のテニスキャンプ等にも参加しつつ、
地元では友人との練習試合を　週3回のペースで組んでいる。
ミドルエイジの大会の準優勝盾とかも飾ってあったなぁ。

パリ出身のスマートなビジネスマンは表向きで、実はゴリゴリの体育会系だった！

加えて、仕事については、元妻の地元での基盤があったにせよ、
移住者としての苦労もあった筈で、
そうした様々な試練を乗り越えて成功を勝ち得て来た訳で、
勝ち組独特の強い意思が備わっている。

遊びや食事ひとつ取っても、
リバーサイドは　フィリップズ ブートキャンプだった。
なんか少しヤバイ。

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