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マンガ家Mの日常
冊子の印刷が上がり、完成品が手元に届きました。
一般のマンガ雑誌やコミックスとは異なる物だけど、
作品が本として完成するのを見るのは嬉しいものです。

part1については随分前にお知らせした通り、会社のHPで
デジタル配信されているものが無料で見られるようになっていましたが、
part2、3についてはどうなっているかまだ分かりません。
会社の担当の方に尋ねれば良いのだけど、なんだか急かすようで、悪いかなって。
会社の方々はマンガを専門として仕事されている訳では無いので。
分かったらまたこの場でお知らせします。

刷り上がって製本されたpart3を見てみると、
以前より良い紙が使ってあって、画面がくっきり見えて、上等そうで良いです。
ところがちゃんと見ると、
スクリーントーンのドットが全部波状になってしまってる。
一般の雑誌でもトーンがモアレ状になってしまったり、
グラデーションが変な具合にぶつ切りになってしまったり、よくある事で、
こうした事はトーンのドットの読み取りに原因があるそうなんです。
マンガ家の方ではどうにも出来ないんで、気にしても仕方無い。

デザインとデジタル処理を担当してくれているデザイナーさんに
今回の件を確認してみたところ、
印刷の線数の調整によるものでは無いか、との回答。
校正の段階で何とか出来た筈なのかもしれない、と。

こうした事は、基本的には印刷所の技術者の方がチェックすべきとは思うのですが。
正直、マンガ家の立場では印刷と製本の工程を全部把握している訳では無いので
原因についても、対処法についても、何とも言い兼ねる。

コミックスの場合、これまでは藍焼き(もしくは青焼き)と言われる
試し刷りのような物を事前に見せられて、
そこで最終チェックを行っていたのですが、
デジタルになってからはそうしたものを見せられた事が無い。
最近じゃコミックスカバーの色校も見てないです。
それは編集部に要求すれば見せてもらえるのかな。
1色の方は後半は締め切りギリギリになっちゃったりもしているので、そうすると
マンガ家に藍焼きを出す時間的余裕が無かったりって言うのも考えられる。
でも、前半だけならなんとかなるかも?
少なくともカラーは早い段階で入稿してるから、色校出せる筈。
まぁね、締め切り間際で原稿に向かっている時にチェックしろって言われても
あんまりちゃんとは出来ないだろう。

コミックスのカバーの場合は大体問題無い。
でも色校を見ると、たまに若干色味が違う時があって、調整してもらう。
印刷で現物通りの色を出すのは難しいようです。
雑誌のカラーの場合は色校なんて出なくて、
たまぁ〜に酷い仕上がりの時がある。
それはもうどうにもならないんだけど、
次回からそう言う事が無いようにと担当さんに一応話をすると、
「原画もあんなもんだよ。」なんていう、
非常に情けない返事が返って来たりする。
絵を見る力の無いマンガ編集者なんてあてにならない。

作家として作品に責任がある以上、最終チェックをするのは義務だとも言える。
でも、なかなかそれが叶わない。
特に今回みたいな専門外の会社のケースでは諦めるしか無い。
とりあえずデザイナーさんとは話をしたので、part4を描く事があれば、
その時は会社の方にもちゃんと話をして、
デザイナーさんに校正のチェックをしてもらえるようにお願いしよう。


冊子は所謂業界用で、非売品。
皆様にお届け出来ず、申し訳ありません。
でも、今回増刷と合わせて少し多めに冊子をいただいたので、
来るブログ3000回記念の時に希望者にセットでプレゼントしようと思います。
2年くらい先になる?
それまでちゃんと付いて来てね。

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